ダンディ坂野

「ゲッツ!」と書けばもう誰のことかはご存知だとは思うが、ダンディ坂野である。事務所のHPには年齢が「30代前半」になっているが、本当はもう30代後半で年齢を詐称しているダンディ坂野である。これはお笑い好きなら大抵みんな知っていることだが(本当か?)、そんな彼が今とても人気が出てきているという。日本、大丈夫だろうか。

そもそも自分がダンディ坂野を最初に見たのがかれこれ4,5年前にもなるだろうか。爆笑オンエアバトルだったと思う。違うかもしれないが、だいたいそこらへん。何の気なしに見ていたんだけど、正直面白くないと思った。それは今でも変わっていない。そもそもダンディを面白いと思っているほうがおかしい。だって、面白くないじゃん。しかし、面白いだけの芸人がOKか、といえばそれはそれでまた違うような気もする。ダンディは明らかに面白くない。しかし、「面白くないことが面白い」という芸人であるから、それで問題ない。

彼の芸風は「ライブ会場」よりも「演芸場」のほうが似合う。自分が見た番組のなかで、ダンディが一番大爆笑を取っていたのは何を隠そう「笑点」である。つまりダンディは老人のほうが笑いを取れるということだ。なんていうか、老人は優しい。その優しさにおんぶにだっこな芸人、それがダンディ。

だから若者がダンディの「ゲッツ!」を喜んで使うのはわからなくもないが、本当にダンディを面白いかと思っているかといえばまた別物だと思いたい。「本気で」面白いと思っているならば、完全にダンディにやられた人間であろう。

ダンディは田原俊彦の大ファンである。だからあのような派手なスーツなのだ(たぶん)。そしてダンディの愛読書は「美味しんぼ」である。なぜかといえば、作品中に登場する富井副部長の「紳士っぷり」に惹かれるからだそうだ。なんだそりゃ。
これだけダンディ坂野について無駄な知識を書いてみましたが、何の役にも立ちません。トリビアのオープニングで「人間は余計な知識が増えることで快感を得ることができる唯一の動物である」というアイザックアシモフの言葉が紹介されるけども、きっとダンディの無駄知識は得たところで一文の快感にもならん。まさに無駄知識中の無駄知識。