木村拓哉はキムタクでしかないのか

木村拓哉主演のドラマ「GOOD LUCK!!」の視聴率が初回で30%を超えたのだという。

前回木村が主演した「空から降る1億の星」は(個人的に)最高につまらなかったのだけど、誰もそんなこと気にはしていないようで、ほかのドラマの視聴率が軒並み苦戦しているなかでこの数字をたたき出すというのは、やはりいまだキムタクの集客率は抜群ということだろう。さて、そんな30%もの日本人が見たとされているこのドラマであるが、自分は見ていない。そういや同じ枠で放送した木村主演のこれも化け物のような数字をたたき出したドラマ「ビューティフルライフ」も見なかった。
そういや木村主演のTBSのドラマって一回も見たことないかも。

フジの木村主演のドラマは何本か見たけども、TBSのキムタクドラマは不思議とあんまり見ようと思わない。なんていうか、フジよりもTBSのほうがキムタクがキムタクであることをより押し付けがましく見せようとする感じが強くて苦手なのだ。

以前も言ったかもしれないけど木村の演技は何をやっても「俺、キムタク」な演技なわけだが(それは一種の才能であり、そこがすべて悪いとは思わないけども)TBSはその「俺、キムタク」な部分のいいとこ取りをしたようなドラマしか作らないのである。つまり、木村拓哉という才能に全てを委ねてしまっているというのか、木村ありきが非常に鼻につくということだ。

ただ、そういう物を望んでいる人間が多いから、初回からこんな数字を叩き出せるのでありそのことに反論をすべきではない。視聴者の望んでいるものを作るのが作り手として評価されるのだから。しかし、自分としてはそれならばまだ失敗作だと思われる「空から降る1億の星」のキムタクを評価したいのだ。

いや、あのドラマだって結局はキムタクでしかなかったんだけど、それでもまだ「新しいことをやろうとする」姿勢がドラマの作り手に見えたからよい。それは結果的に失敗に終わった(ドラマとしても、新しいキムタクを開拓するという点においても)が、まだチャレンジして失敗したほうがいいではないか。

けども、今回のドラマなんてキムタクをキムタクとして使いたくて作ったようなドラマとしか思えないんだよ、正直。いや、最近の作品ていうのはそういう傾向がますます見え隠れするんだけど本来的にはそれじゃいけないと思う。そんなことしてるから結果的にカタにはまったつまらない作品しか出来上がらないし、役者の演技の幅を狭めてしまうのである。

別にキムタクにイロモノをやらせろと言っているのではない。せめて木村拓哉であることに最初から頼らないようなドラマを作って欲しいのだ。

正直もう「俺、キムタク」には俺は飽きてしまった。別の木村拓哉が見たい。これは何も木村が悪いのではなく、そんな役しか木村に当てはめることができない製作側の無能をなじるべきかもしれない。はっきり言えばドラマの作り手の想像力の欠如だろう。木村に限らず最近の阿部寛の使われかたの極端さとか、むやみにドラマに出ていてもうわけがわからない堤真一とか、製作者の思惑と視聴者の思惑に迎合しようとしている腐敗臭がするような感じだ。

自分が木村主演のドラマで最高傑作だと思っているのが「世にも奇妙な物語」における地方出身の若者を演じた「言葉のない部屋」という作品である。地方から出てきて職場の同僚ともなじめない若者(木村)がある店で見かけた録音機(舞台は昭和40年代だったはず)を購入する。その若者が自分の心情を録音機に向かって吐露するのだが…という話である。(詳細は「世にも奇妙な物語データベース」に詳しい)

結構再放送の「世にも奇妙な物語」で見ることができるので(自分は3回くらい見た)、是非機会があったら見てほしい。今の木村拓哉とは全く違ったいい演技をしている。こういう木村拓哉が自分は見たい。


・「DASH村」燃える。
といっても家屋が燃えたらしいが。スタッフが最終回に向けて燃やそうとしたとか言わないように。

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それを見てるこっちが泣きたいわい。