美女か野獣

松嶋菜々子福山雅治が主演のドラマ「美女か野獣」。

2回目まで放送されましたが、「面白くなくはないけど、う〜ん」という感想。キャストが豪華だし、脇役にも芸達者を固めているからよっぽど変なことをしない限り面白いはずであり、ちゃんと楽しめる作品には出来ている。

しかし、昨年放送された「HERO」の焼き直しつう感じがするわけですな。

細かい設定こそ違えど、要は群集劇なのです。メインの2人が主軸となり物語は進行、その周りを取り囲む人間に起こる問題を展開によって時には脇役がメインとなって物語が1話単位で完結する、というのが基本パターン。主役だけでなく脇役にもそれなりに見せ場がある、というのが大きな特徴でしょう。過去の名作で言えば「王様のレストラン」しかり、「救命病棟24時」(第2シリーズ)しかり、そしてもちろん「HERO」しかり。いずれもフジ系のドラマ。

このジャンルは役者の技量も必要となるけども、もっとも重要なのは「脚本」なのです。いくらキャストが頑張っても脚本がつまらなければ役者の持ち味を殺してしまい、台無しなのです。「伏線の張り方」と「群集の見せ方」がとりわけ大事であり、伏線をきれいに張れば張るほどこの手のドラマは最後の爽快感に結びつき、群集の見せ方が下手だと、何を見せたいのかわからない状態になる。

さて、ここまで書けばお気づきだとは思うが、簡単に言えば「美女か野獣」の脚本はつまらないねってことなんです。伏線の張り方が大事だというのは、途中で伏線がわかってしまうというのも一種の手段なのですが、それをバレても見せることの出来る力のある脚本でないと、視聴者は「もういいや」ってことになってしまうんですな。決してヘタではないけれど、完全に役者を生かしきれていないというか。

あれだけ豪華なキャストを揃えていれば、TBSの「グッドラック!!」とそう大差はないと思うのですが視聴率的には相当な差がついてしまった模様。まだまだ序盤なのでもっと面白くなる余地はあるんで、これから頑張ってほしいと思う次第だ。