ありがとうforever……

西内まりや、分かりやすくグレる。


今世間で話題の暴行事件といえば日馬富士なのでしょうが、この日馬富士暴行事件と同じくらい謎に包まれており、自分の中だけで盛り上がっているのが西内まりや事務所関連会社社長(というややこしい肩書き)ビンタ事件である。日馬富士事件はなんだか貴乃花親方の野望が見え隠れしてもう興味ないんですけど、まりやビンタ事件は相撲協会以上の泥沼を呈しそうでワクワクが止まらない。主に自分だけ。


大雑把に報道された記事を要約すると「まりやが社長をひっぱたいて事務所の待遇が我慢ならないと紛糾。一方的に事務所を辞めることを突きつけた」らしい。まりや側は「ひっぱたいてない」と言っているが、事務所側は「もう完全に殴られてます」と主張。本来ならまりやのイメージを気にして事を荒立てたくない事務所側が「殴られている」と主張するのは、よっぽどの事。もうまりやを元に戻すつもりはないんだろう。まりやの所属事務所は業界大手のライジングプロ。普通に考えれば、いとも簡単に干される。


まりやが事務所にとって過分に期待されていたことは想像に難くない。その美貌とスタイルを武器にモデルや女優はもちろん、まりやが望んでいた歌手活動もさせている。しかし悲しいかな「何でも出来るが故に、どれもなんか中度半端」という器用貧乏っぷりを発揮し、大きな成功を収めていたとは言い難い。特に歌手活動においては、安室奈美恵リスペクトでダンス系の曲を歌いたかったらしいのだが、2年前には「Chu Chu」という理想とは全くかけ離れたブリブリのアイドル曲を歌わされたりと、ストレスも相当に溜まっていたのだろう。


そこに追い打ちをかけたのが月9ドラマの主演。逃避息抜きのはずだった海外短期留学を蹴って臨んだ月9主演であったが、歴代最低視聴率を記録するなど惨憺たる有様。ドラマが劇的につまらなかったのは全てがまりやのせいではないのだけども、どうしても主演への風当たりは強く、たぶんここで完全に心が折れて、心身体調ともに変化をきたしてしまったのだろう。


ここでまりやは分かりやすくグレ始めた。以前から交際をスクープされていた「呂明賜が敏感な所」ことモデル呂敏と手つなぎデートを憚らず、また髪の毛も金髪に。今までいい子いい子で来たぶん、まるで遅い反抗期がやってきたかのようだ。


今のまりやの気持ちを代弁すれば「自分はこんなに頑張ってやってきたのに何で誰も理解してくれないの!自分の気持ちなんて事務所はもちろん周りの人は誰も分かってくれない!こんなに孤独なのは自分だけ!もういや!グレてやる!周りに迷惑かけまくってやる!」てなとこだろうか。ま、気持ちは分からないではない。


しかし、この時期にこうなってしまうところが「芸能界における西内まりやの立ち位置が微妙過ぎる所以」だろうなと自分は思えてしまう。


まりやの何が問題か。それは前述したとおり「何でも出来るが故に、どれもなんか中途半端」なのだ。彼女のハイスペックっぷりを考えれば「彼女にしかできない事」はいくらでもあるような気がするのに、どれもこれも「彼女じゃなくてもよかった仕事」に思えてしまう。唯一「まりやにしかできない、まりやだから許される仕事」だと自分が思えたのが「Chu Chu」だったのだけど、彼女はここに不満を持ってしまったんだよねえ。自分のしたい仕事じゃなかった。けど、「自分のしたい仕事」は「自分の求められている仕事ではない」と気付けなかったんだろう。そこがまず不幸。


そしてまりやはグレる。しかしまりやの一連の行動は「全て他の何かに似ている」という、「まりやが起こしているはずなのに、まりやじゃなくてもいい騒動」なのだ。まさにまりやの芸能界での立ち位置そのもの。事件を起こすならせめて「まりやにしか出来ない騒動」であれば良かったのに、そうじゃなかった。タイミング的にも不運すぎる。


事務所の社長へのビンタという事件なんて、本来であればもっとセンセーショナルに取り上げられてもよさそうなもんだけど、その衝撃を上回る角界での事件と不幸にもかぶってしまう。事務所への不満&独立騒動なんてのは能年玲奈にはじまり最近のローラまで、もはや珍しくもなんともない。そしてグレる意思表示が金髪だなんて、もうオリジナリティの欠片もない。なぜこんなところまで「他の誰かでもいい事件」になってしまうのか。悲しい。悲しすぎる。


事務所の無慈悲な対応を鑑みれば、まりやが今後順風満帆な芸能活動を行うのはもはや不可能に近い。それらをはねのけるような魅力と実力が全くないとは言わないけども、残念ながら今のまりやでは考えにくい。このままでは呂明賜の敏感な所にまりやの敏感な所を刺激された挙句できちゃった結婚して数年後離婚、という完全にオリジナリティの欠片もない「ダメ女性芸能人」の人生を送るのだろう。それが今の西内まりやの本懐であり限界なのかもしれないが、これだけの逸材がこんな風にダメになっていく様を見るのは正直忍びない。


しかし、まりやの今後の人生を考えれば、今この時期に芸能活動をフェードアウトするのがいい引き際なのかもしれない。そうであるなら自分は笑顔(半笑い)でまりやを見送るのみ。ありがとうforever…*1

*1:言うまでもなくまりやの3枚目のシングルのタイトル