北海道在住あるいは北海道在住経験者以外にはなんのこっちゃ、な話ではあると思うがここは勘弁していただきたい。北海道では知らない人はほぼいないであろう超有名アナウンサーであり、番組で大泉洋と「YOYO's」を組んでいるその人こそ木村洋二アナ。彼が5日金曜日、遂に「どさんこワイド180」に復帰したのだ。
木村アナが体調不良からSTV(日テレ系列)の画面から姿を消したのは今年の初め。そして正式に「休養」のアナウンスが流れたのが3月も半ばのことだった。その時の経緯については自分が書いた過去の文章を参考にされたし。
体調不良というアナウンスが流れたものの様々な憶測が飛び交い、このままテレビに復帰することはないのではないかという危惧もあった。しかし着実に木村アナの状態は快方に向かっていたようで、STVのホームページに掲載されている「STVアナウンサー日誌」の5月7日に3ヶ月ぶりに登場。休養に関して本人からのアナウンスを発信した。
そして6月5日、遂に「どさんこワイド180」での復帰が前日4日の同番組にて発表された。某掲示板でこの書き込みを見た自分は「これは見逃すわけにはいかない!」とばかりに、この日の「どさんこワイド180」を録画。ちなみに夕方のワイド帯番組を録画する機会なんて殆どない。
同日のテレビ欄を見ると確かに木村アナが復帰する旨が書かれており、しかもこの日の「どさんこワイド」は映画「ディアドクター」の宣伝で北海道に来ている笑福亭鶴瓶をゲストに迎えるとのこと。復帰一発目から鶴瓶×木村アナという、北海道のテレビマニアにはたまらない組み合わせとなったわけです。
でまあ自分も帰宅してから録画した「どさんこワイド180」を確認。冒頭のお天気カメラからの映像越しに天気の様子を伝える声。紛れもなく木村アナだ。「天気なんかどうでもいいから、早くスタジオの木村アナを映してくれ!」と思わず叫ぶ。そしていよいよスタジオにカメラが切り替わる。遂に木村アナとの半年振りほどのご対面である。
復帰前はどことなくやつれた感があったのだが、カメラの前の木村アナは絶頂期ほどの体重ではないものの、ほどよく肉付きもよくなり、明らかに休養前よりは良さそうな体調。そして休養前も少し薄くなっていた髪の毛が、さらにもうちょっと薄くなった印象。木村アナももう50歳。そりゃ老ける。
オープニングではまず木村アナからお詫びと感謝の言葉。たくさんの励ましの言葉を頂いたが、街で女子高生が「どさんこワイドに出ていたオジサンだ」と過去形で言われたことが悲しかったと。今後も出続けますよ、と笑いを入れつつも健在をアピール。
直後に鶴瓶が登場。映画の中で(ニセモノだが)医者を演じたこともあり、木村の体調を気遣う鶴瓶。鶴瓶からすればいつもの視聴者および出演者サービスの一環に過ぎないだろうが、自分はこの鶴瓶が木村アナを気遣う姿に少し感動してしまった。
その後は中継やコーナーをはさみつつ映画の宣伝へ。途中木村アナが進行を確認していたようで鶴瓶の話を聞きながら合いの手を入れず少し黙っていたら、鶴瓶が心配そうに「大丈夫ですか?」と突っ込む。それに対し木村アナも「(心配されても鶴瓶は)所詮はニセモノですから」と返す。木村アナの最大の持ち味でもある無礼スレスレの毒舌も健在。こちらが思っていた以上に調子はいいのかもしれない。
ひどく個人的な話になるが、中学生のときにある先生が体調不良で入院したことがあった。暫くして学校に復帰したのだけど、復帰後の授業が明らかに体調が悪そうで、正直授業どころではなかった。「このままでは授業にならない」という理由もそうだが、何より「あんな明らかに体調の悪い人を教壇に上げておくのは忍びない」という単純な理由で、「お願いだからまだ休んでてください」と頼んでまた休養に戻ってもらったことがあった。ちなみにその先生は数ヵ月後亡くなってしまった。
こんなことがあったもんだから、病み上がりに無理している人を見ると「本当に大丈夫なのか?無理してないのか?」と必要以上にそう思ってしまう癖がある。だから今回木村アナが復帰すると聞いたときも、本人をテレビの前で見るまで安心が出来なかった。しかしこの度テレビの前に帰ってきた木村アナは自分が想像している以上に元気だった。これには素直に安心した。もちろん全盛期の本調子というわけにはまだまだ行かないだろうけども、このまま無理をせずに木村節全開で今後も活躍してほしいと思う。北海道のテレビ視聴者として完全に普通のエールとなってしまったが、これでいいのである。