イケナイ太陽

黒部の太陽
次回更新分と思ったけども、忘れないうちに書いておく。


ドラマの中身はといえば石原裕次郎三船敏郎が陣頭指揮を執って映画化されたこともある重厚な漢(おとこ)たちの物語であり、今更面白い面白くないどうこうのレベルではありません。プロジェクトXですもの。


主演の香取慎吾演ずる倉松は漢気溢れる立派な親方なはずなんでしょうが、どうにも「西遊記」で吠えてる孫悟空にしか見えませんでした。大声という意味での迫力はあるんだけど、大勢を取り仕切る人望があるという意味での迫力にはどうしても見えないわけで。ま、限界がありますわな。あとノブを演じた趙萊和という役者さんが自分には天津木村にしか見えなくて、川口文子(深田恭子)を押し倒そうとするシーンではエロ詩吟が思い浮かんで笑いそうになった。あとは概ね「いいオッサン」たちが脇を固めており、不安なく見ることが出来ました。


ふたつほどどうでもいい気になった点を挙げておく。ひとつはいわゆる「昭和の家庭」の母親として木村多江が登場したり(役名すらない)、倉松のお見合い相手として本仮屋ユイカが登場したり(一応こちらは民子という役名あり)と、どうやらキャスティングをした人間と趣味が一緒らしいこと。多江さんをあそこでああいう形で使う必然性は全く無いところに「どうしても起用したかったんだからいいじゃねえか!」というエゴが感じられて最高です。漢を感じます。


もうひとつは火野正平古谷一行の共演。後編の冒頭からいきなり一行が出てきたので、「これはもしかしてドラマの後半で木の実ナナがひょっこり出てくるんじゃねえの?」という「元祖混浴露天風呂殺人事件」トリオが完成するんじゃないかとドキドキしていましたが、実現ならず。最終的には黒部ダム近くの温泉あたりで混浴で露天風呂入ってる画まで想像したが、全て絵空事でした。混浴ギャルたちの「わー、オジサンたちのエッチー」の声まで再現したのに。是非DVDには特典映像として追加してほしい。