ゴキジェット

・害虫
宮崎あおい主演。年末年始はなんか宮崎あおい主演の映画ばかり見た気がするんだけど、よく考えたらこれと「初恋」だけの話で、思いっきり気のせいだった。「篤姫」関連だとか「さんまのまんま」だとか、普段見てないのにやたら目にしたせいかもしれない。いや「篤姫」見てないんだけど。


宮崎あおい演じる中学生は学校をドロップアウトしてしまった女の子。不良というわけではないけど、ずるずると負の方向へ進んでいく。思春期の揺れやすい感情に加えて危うい環境。誰しも一歩間違えば同じような方向へ進んでもおかしくはない。主人公のもとには次々と負の方向へ進むような出来事が起きる。これは運命なのか必然なのか。


全編通じて「う〜ん……」と考えながら見てしまった。決して全て周囲が悪いわけではないし、本人だけが悪いわけでもない。本人がその気になれば救いの手はいくらでも差し伸べられていた。しかしそれを無視するように裏切るように悪いほう悪いほうへと向かう主人公。一応ラストシーンまで一縷の望みは残っているのだが、それも最後の一言、ワンカットで全て叩き潰される。「なんだかなあ……」という気分にはなります。これを映画としてどう評価するかは個人差だとは思うけど、やっぱり遣り切れないわな。最後まで見れば詰まるところ本人が悪いという結論に自分は至るわけだけど、それを絶対的に「悪い」と言い切れないところがこの映画の持つもやもや感の正体かなあ、と。


まだ若い宮崎あおい蒼井優を起用している時点でこの映画は未来永劫「先見の明がある」という評価になりそうですが、映画そのものは鬱々とした作品であり、あまり他人にオススメはしないです。まあ二人とも可愛いんだけどさ。あと蒼井優の役の報われなさも大概なもんです。