白々しいにも程がある

坂田健史内藤大助のダブル世界戦を見てたら、内藤の勝利インタビューの時に亀田興毅が乱入。


ボクシングを見るときのお約束としては、「客席に誰がいるか」を把握しておく必要があります。もちろんまっとうにボクシングを観戦している人はそんなことしなくていいのですが、大相撲にしてもボクシング(含む格闘技全般)にしても、観客が映りこむスポーツというのはどうしても客席にいる有名人を注視してしまう癖がある。これはもう仕方ない。


おそらくデジタル放送なら客席も無駄にくっきり映っているんでしょうが、生憎自宅のテレビはまだアナログなために、そこまで鮮明には映らない。けどまあ鮮明ではなくたって誰が会場にいるかは判断がつく。もちろんリング傍にいる人だけだが。


そんでまあ、内藤戦の時にいたのはキャイ〜ンの天野にくりぃむしちゅーの上田(天野の隣も芸能人ぽかったが誰かは不明)、月曜に放送された「内藤大助物語」に出演した伊藤淳史に岸本加世子(内藤戦のときは内藤の後援会の応援ハチマキまで律儀にしていた)と、ここまではテレビカメラでも独自に抜かれていたので試合を見ていた人ならば皆知っていた。


しかしリングサイドにはもっとある意味「注目される人たち」が居座っていた。ご存知亀田三兄弟である。左から順に長男、三男、次男。長男は坊主、三男は変則モヒカン、次男は黒髪のボサボサ。上と下はボクサーっぽかったが、次男はもうボクサー廃業気味という雰囲気。いや実際どうか知らんが。ご丁寧に次男の右側には「うたばん」のパンチとしてお馴染みカナケイの渡辺準氏が居座っている。これは亀田一家に専属に雇われているのか、それともTBSが手配したのかは不明。ただ、この後の興毅乱入を考えるとTBSが手配したと勘繰ってしまいたくなる。


TBSのカメラは確かに彼らを何度も捉えている。しかしTBSはまるで亀田兄弟がこの会場にいるのを無視するかのように何も触れない。いくら亀田兄弟に掌を返したとはいえ、あれだけ亀田一家を持ち上げてきたTBSが彼ら三兄弟をカメラで確認しておきながら一切触れないというほうが却って不自然である。ただ、自分はこの時点ではまだ「坂田が協栄ジムの先輩だったとはいえ、よくもまあノコノコとあんな近くで三人試合を見に来るよなあ。恥知らずだよなあ」と思っていた。しかしこの程度の恥知らずは序の口だった。


そして事件は起こる。内藤大助が判定で劣勢に立たされていながらも10Rで逆転KO勝利という見事な試合をやってのけ、インタビューされているときだ。いきなり何者かがチャンピオンの手を持ち上げたと思ったら、それが亀田興毅だった。何の前触れもなく、いきなり。それこそまだ内藤が喋っているときに。観客および視聴者としては、苦しみながらも勝利しインタビューに答えている内藤の話をもっと聞きたいにも関わらず、よりによって亀田に邪魔された日には、そりゃあ誰だって不快に思うだろ。


どう考えたってこれは演出だ。亀田がリングサイドからのこのこリングの上に上ってきて内藤に近づくという動作は、いくら亀田といえども周りの人間が真剣に止めに入ろうと思えば可能な作業だ。これは誰かが暗黙のうちに亀田をリングの上に上らせる手筈が整っていないと出来ない。こう考えるとカナケイの渡辺氏は亀田がリングの上に上がるのを邪魔する人間をガードする役割とすら思えてくる。


ここまであからさまな「演出」をしておいて、TBSの返答は「ハプニング」ときたもんだ。あんな白々しいハプニングがあってたまるか。カメラに捉えておきながらその存在を無視して、「いきなり亀田登場!」みたいなハプニング効果を狙っているという意味でのハプニングなのだろうか。ハプニングを装うための不自然をどう説明するつもりなんだろう。


TBS及び亀田の白々しさはちょっとテレビの限度を越えている。そんなTBSで看板番組を持ち、亀田を擁護するであろう和田アキ子は「アッコにおまかせ!」でこの事件をどう取り上げるのだろう。おそらくスルーだろうな。ああ恥知らず。山本モナより渡辺アナよりよっぽど恥知らずだ。


結局言いたいのは、ハトヤ山本モナと渡辺アナを応援しますということです。