誰に向けたサービスカットだ

世間では早くも話題沸騰しているのかどうかは知らないが、「プライド」にはMEGUMIの谷間もないことから食いつくこともなく、20時から「こちら本池上署」を見ているわけです。はやくも第3シリーズのこのドラマだが、お年よりにも優しいいいドラマである。

お年寄りに優しいのはわけがある。まあこんな事言うまでもないのだが、この枠は元々時代劇の枠。水戸黄門の枠である。そんな水戸黄門を見ていたお年寄りの心をがっちり掴んで他の番組に気を取られないようにするためにも、ここのドラマ枠は「とにかく誰にでも分かりやすい」がテーマである。

だから「プライド」を楽しむような若者には少しかったるいのかもしれないが、この分かり易さが大切だと思うこともある。非常にハートフルなドラマなのだ。常日頃ひねくれた自分のような人間はこういう番組を見て少しでも心が洗われるような思いがするわけで。

んなことはどうだっていい。今週の「こちら本池上署」にちょっとした「サービスカット」があったのだ。

それは池内万作の入浴シーンである。

池内万作金子賢が一緒に風呂に入って語るシーンなのだが、この二人、風呂に入っている必然性が全くないのだ。いや、別に無駄に風呂に入っていたわけではないのだが(設定では二人は警察寮での相部屋なので)、特に風呂である必要性がなかった。

それでも入浴シーン、しかも金子賢ではなく池内万作だったのはどうしても分からない。

例えばこれが女性の入浴シーンであれば色ボケのじいさんどもの欲求を満足させるという可能性もある。知念里奈あたりは歌手としての仕事も殆どないようだし、女優として喰っていくにはここらで入浴シーンのひとつくらいこなしても何ら不思議ではないし。しかし、そういうことではなく男性の、しかも池内万作。これが金子賢であれば、一応男前であるからそれなりに需要があると言ってもいいかもしれないが、池内万作のシャンプーのシーンは、一体誰に向けられたサービスカットだったのか、自分にはまるっきし不明である。

もし何かのリサーチで、「こちら本池上署」を見ている年齢層に池内万作のファンが多いとかいう調査結果が出ているのであれば納得するかもしれないが(いやそれでも納得しかねるかも)、そのような情報をとんと耳にすることもない。果たして8時台のお茶の間に裸体でシャンプーをする池内万作を流したことによって誰が特をしたのか。それは今シリーズに無理矢理押し込まれた感のある中澤裕子の登用より謎である。誰か答え求む。