10年後も

先日放送した大島優子のAKBSPなんですけども、ちょっと気になったことがあるので書いておきます。


大島優子に関しては「芸歴長いなー」と思わせてくれたくらいで、特に凄いとか可愛いとか思わなかったんですけども(寝起きドッキリですっぴん晒せるのは素晴らしいと思いますけどね)、渡辺麻友のほうは少し気になりました。


大島優子に朝食を持ってくる、というくだりで和食(渡辺)と洋食(極楽とんぼ加藤浩次)で揉める、というミニコント。もちろんこの二人が組み合わされているのは昨年の27時間テレビで加藤が渡辺の顔面に蹴りを入れたことで色々大騒ぎになったという因縁。もちろん本人同士に因縁があるわけではなく、外野(ファンだったりBPOだったり)がやかましくなったというだけ。それを今回は(今回も、だったかも。過去にも加藤と渡辺のコントをめちゃイケでやっていたかもしれないけど覚えてない)逆手に取っているわけですね。


ハナっから渡辺が加藤をボコボコにしている。大島優子の顔面ケーキのくだりをはさんでまたケンカ。そして渡辺のドスの効いた「炎上してくたばれ!」というセリフ。いやあ笑った。


自分は全くAKBに興味がないので、渡辺麻友といえば「ラミレスに似ている」という一点の情報しか持っていなかったのですが、これ見たらちょっと好きになりますよね。結構ブリブリのアイドルさんだと思っていたので、こういう演技ができるとは思いませんでした。ファンからすれば「いやそれは常識」なんでしょうけどね。ここのくだりだけは保存しておいても良かったかもしれない。消したけど。


ああいう演技ができるのであれば、大島優子より女優として面白いです。加藤と因縁のくだりがなくてもいい。高飛車な役とか誰か与えてみてはいかがでしょうか。


ついでに書いておくと、あのバスツアーの日程を未だに「本当」だと思っている人はまだいるのかな。


以前自分は中居の日本一周の企画のときに「文脈の笑いはウソでいい」という長文を書いたことがありますが(もう10年も前の文章ですが、今回一部加筆修正を加えて再掲してみましたので、長いですけども興味のある方はご覧ください)、その時に「ここは本当、ここはウソ」と検証を加えたことがあった。その上での自分が出した結論は過去の文章の通り。


今は当時よりももっと「隠す気がない」と言いますか、「ウソであることを最初からエクスキューズとして用いている」という感じがします。ウソだから怒らないでね、という感じ。自分は今くらいの言い訳がましいエクスキューズはあまり好きではないのですが、時代の要請とも思えるので仕方ないだろう。


今回のバスツアーの日程もライブ前日なわけがない。一番分かり易い説明を加えてみよう。AKBの国立競技場の公演があったのは3月29日(30日は天候不順により中止)。バスツアーはライブ前日から当日にかけて、という名目なので28日から29日の朝にかけて行われているはずである。一方で、バスツアーの最初に矢部の長男が誕生し、電話連絡をするというシーンが挟み込まれているが、実際に矢部の長男が誕生したのは19日(参考:デイリースポーツ記事)。記事にも「めちゃイケの収録」とあるし、あのバスツアーのくだりに矢部長男誕生のシーンは積極的には不要のように思えるので*1、実際に誕生したのがあのロケ中と考えたほうが自然だ。よって、あのロケは19日に行われたものであろう。前日ではない。


ただ、こんな「事実」を確認したところで、別に本編の「文脈」の面白さが損なわれるわけではないからそれでいいんです。さすがにこれをヤラセというのであれば、日本の視聴者は全然成長していないということになるんだけど、大丈夫だろうか。ちと心配だ。

*1:前述した加藤渡辺のコントのくだりで、矢部の長男の写真を見て渡辺が落ち着く、というシーンはあるが、別に矢部長男誕生のドキュメントをバスツアーの冒頭で挟み込む必要性はないように思える