ファッションリーダー

再結成されたSPEEDをチラホラ歌番組で見かけます。


SPEEDの再結成にまつわる話ってのは日テレの24時間テレビにかこつけて書いたので省略しますが、今週再結成後初のシングルとなる「あしたの空」が 12日に発売されたこともあって歌番組に多数出演しております。正直どのくらい売れるかは疑問なのですが、「SPEED」というネームバリューは歌番組にとって安心できる材料なのでそりゃ出演するという話。


新曲「あしたの空」はメンバー4人のユニゾンから始まる比較的おとなしい曲。SPEEDといえばデビュー曲「BODY&SOUL」に代表されるようにバリバリ歌って踊る曲のイメージが強い。もっとも代表曲でもある「White Love」はそのイメージとは対極に位置するのだけども、それでもやはりSPEEDは歌い踊ってなんぼだろうという気がする。悪い曲ではないけども、なんかこうパンチに欠ける曲という印象は否めない。


踊りもそれなりに踊ってはいるけども、なんとも余裕たっぷりな感じ。もちろん経験値があるし、当時とは体力も違うのでがむしゃらに踊るというわけにもいかないのだろうけど、それでも「もっと激しく踊ればいいのに」と思ってしまう。まああのテンポでは激しく踊るわけにもいかんのだが。


24時間テレビで見たときよりも今井絵理子の復調が著しい。24時間テレビのときはいかにも「子育てに忙しくて」という感じの顔と声であったが、さすがにあれから3ヶ月、きっちり仕上げてきた模様。そして今井の歌っているときの「私はSPEEDよ!」という妙な気迫を感じる。同じボーカルでもマイペースとはいえ芸能活動を行っていたhiro(島袋寛子)はそれほど気負った感じがないけども、久々に歌手として復帰した今井は「息子よ、母親の勇姿を見よ!」とでも言わんばかりの張り切り。別に悪いことではないんだが、同時に「175Rは今音楽番組に出てんの?ん?悔しかった?」と言ってるようにも見える。自分だけだろうか。


歌番組で歌うSPEEDを見れば今井の妙な張り切り具合に目が行くのだけども、おそらくこれを読んでいる方ももうひとつ気になっている点があると思う。そう、ヒトエさんの蝶ネクタイだ。


新垣仁絵さんことヒトエさんはSPEEDの最年長でありダンス担当の御方。SPEED世代の自分にとって、当時「SPEEDで誰が好き?」という質問において「ヒトエさん」と答えるとただちにブス専認定されるという立場の御方。全くもってヒトエさんには失礼な話である。別に自分は誰が好きとかいうものがなかったため特に問題はなかったが、もしあの時ヒトエさんが好きだったとしたら自分は「ヒトエさん」と答える気概があっただろうか。多分ちょっと考えてから「………上原多香子かな」って答えてたと思う。不人気メンバーを好きになる辛さってのは数年後モー娘。において味わうことになるのだが、それはまた別の話。


話を戻す。確かにヒトエさんは上原多香子のように正統派の美人ではない。またボーカルの二人のような分かりやすさもない。だから自ずと他の3人に比べて人気の差が出ても仕方ないとは思う。しかもヒトエさんはその立場に加えてドレッドヘアにするなど独自のオシャレを突き進んでいたため、当時の小中高生が「好き」と言うにはハードルが高かったように思う。断じてヒトエさんのみがブサイクというわけではない。これははっきり記しておこう。


そんなヒトエさんが久々にテレビに登場したと思ったら、なんといつも蝶ネクタイをつけている。最初は今回の新曲の衣装がたまたま蝶ネクタイなのかと思ったら、どうやらNHKで放送された「恋うた」で「White Love」を歌うときの衣装でも蝶ネクタイをしていたので、これは今回の曲の衣装というよりは、ヒトエさんのこだわりとしての蝶ネクタイと解釈したほうがいいだろう。


しかしなぜ蝶ネクタイ。


今の日本で蝶ネクタイといえば圧倒的なトップランナーがフジテレビの軽部真一アナウンサー。毎朝「めざましテレビ」において蝶ネクタイ姿を披露し、もはや普通のネクタイをするのが許されないまでに蝶ネクタイだ。そしてもうひとりは実在の人物ではないがアニメ「名探偵コナン」の主人公江戸川コナン。彼も軽部アナに比肩する蝶ネクタイスト(というのかは不明だけど)だろう。しかも彼の蝶ネクタイは変声機を仕込んである阿笠博士の発明品でもある。なんとも機能的な蝶ネクタイだ。


そんな2大蝶ネクタイストに挑戦状を叩きつけたのがヒトエさん。真っ向勝負である。何故に蝶ネクタイなのかその説明は一切なされない。まあ自分の目に触れないところで「私はいまなぜ蝶ネクタイなのか」と大々的にアピールしている可能性もあるが、少なくとも自分の耳には届いていない。当時ドレッドヘアを何のためらいもなく「オシャレ」として体現していたヒトエさんのことであるから、この蝶ネクタイもヒトエさんの信念をもったオシャレなのだろう。


本人からすれば好んで奇抜なことをやっているわけでもないのだろう。どんなファッションでも時代を先取れば奇抜という評価は受けるもの。だからヒトエさんの蝶ネクタイだって半年もすれば完全にオシャレとして渋谷あたりに溢れているのかもしれない。あるいはヒトエさん独自のオシャレではなく、いまアメリカでは蝶ネクタイが大ブームになっているのかもしれない。ファッションに疎い自分のことなのでそれは本当に分からない。


ただひとつだけ分かることは、10年前も今もヒトエさんのファッション感覚に自分は付いていけないということだけである。誤解なきように言っておけば、自分がファッションに疎いだけで、10年前のドレッドも今回の蝶ネクタイもヒトエさんに似合ってなかったわけではなく(むしろ蝶ネクタイは個人的にはかなり似合ってる気がする)それが「カッコイイ」「ダサい」の判断がつきかねるという話だ。エグザイルのあり方を自分の感覚から「ダサい」ということは出来るが、ヒトエさんのファッションを自分の感覚から「ダサい」とは判断できない。しかし付いてはいけない。


世間に迎合せず独自のファッションを貫き続けるヒトエさんをそれこそ「カッコイイ」と形容することも出来よう。しかし自分は、「このままヒトエさんを応援していけば最終的にはおしゃれとしてループタイをつけてくれるのではないか」という下らないかつ淡い期待を込めて「カッコイイ」ということにしてヒトエさんをその気にさせていきたいと思う。


芸能人歌が上手い王座決定戦

「芸人」ではなく「芸能人」になったならば、歌手も含むわけであって(現に歌手である鼠先輩出場してたし。まあ半分芸人みたいなもんだけど)あんなチンケなトーナメントではなくもっと歌の上手い歌手も参戦させるべきだ。紅白なみの規模でやってほしい。時間だけは紅白なみに4時間やってたが。理想は松山千春が出場して優勝。すげえ歌上手いよ、千春(笑)。