終戦記念日

5月28日は終戦記念日

何のことかよくわからない?まあ、そりゃそうでしょうわな。あくまでこの「終戦記念日」は個人的なものに過ぎないわけですから。

一体自分にとって何が終戦したのか説明しよう。それは「おもいっきりテレビにおける『情報特急便』のコーナーのキャスター久能が吐くしてやったり顔のダジャレと終戦記念日」である。28日をもって久能キャスターが降板したのだ。

どうやら久能キャスター、おもいっきりテレビのキャスターを17年もしていたらしい。そりゃ自分が物心ついたときから久能があの時間にニュースとしてやったり顔のダジャレを言ってるわけですよ。でまあ、その「してやったりダジャレ」を聞くたびに自分はテレビの前で「こんなダジャレで勝ち誇ったと思うなよ、久能!」とひとり闘志を燃やしていたわけである。いつか久能のダジャレを完全に先読みし、あの「してやったり顔」より先にしてやったりする日を待ち望んでいたわけである。

そんな超個人的「久能ダジャレ戦争」も、28日をもって終戦となった。いつもは憎い相手だけども、いなくなると思うと少し寂しいものがあるよ。あれ、何で自分泣いてるんだろう?


ま、それはウソとしても久能の最後を看取るべく(いや、死んでないけどね)今日自分は「おもいっきりテレビ」を1時30分くらいから視聴していたわけです。

久能は最後の日だということを微塵も感じさせないようないつもの落ち着いた口調であまり落ち着いていられないイラクの邦人殺害(ちょうどこの時間に死亡確認の一報が入った)を報道していたわけだ。勿論(と言っても殆どの人には通じないであろうが)久能は序盤のマジメなニュースからしてやったりなダジャレを言うわけがなく、ここは静観ですよ。

徐々に海外のおもしろニュースやら国内のちょっとした事件やらを紹介していくうちに久能が隙を窺ってダジャレを差し挟むわけである。だが、久能は最終日に限ってなかなかダジャレを挟もうとはしない。おや、久能?最後だからってマジメに決めようというのか?俺との約束は?(無論していない)

そして時間はあっというまにエンディング。「17年間お疲れ様でした」の表示とともに、久能が最後の挨拶にかかった。すると久能は「えー、今日でこの番組を卒業することになりました。卒業といえば、おまえは本当に単位をちゃんと取ったのか、経歴詐称じゃないのかといわれそうですが…」

ここで久能ジョークを挟んできやがったのだ!

ちくしょー、久能。ここで久能ジョークとは…。最後まで久能は久能のままだったよ。オレは嬉しい。憎いぜあんた。でも、でもだよ。本音を言えば俺はニュースの時にしてやったりのあんたの顔を最後に見たかったよ。

最後の挨拶も終え、隣に後任の真山キャスターを従えた久能の表情は晴れやかだった。それはきっと自分の仕事(もちろん「久能ジョーク」のこと。キャスター業ではない)をやり終えた充実感に包まれていたに違いない。

今後久能は後進の指導に当たるらしい。数年後、妙に「してやったり」の顔でジョークやダジャレを言うキャスターが出現したら、それは久能の弟子だ。自分はまた戦いを始めることになるだろう。それまではしばしの休戦だ。また会おう、久能。