はらたいら登場す


「クエスファイブ」にはらたいら出演。

以前ここにも書いたように、はらたいらがテレ東の番組「クエスファイブ」に出演した。はらたいらといえば「クイズダービー」の最強の回答者してお馴染みであるが、そんなはらたいらがあろうことか大橋巨泉とならんで番組を出題する側になって出演しようとは。

自分もクイズダービーを見ていた記憶があり、はらたいらの鬼のような正解っぷり(というイメージがある。実際どの程度まで正解だったのかはわからないけども)は「この人は答えを予め知っているのではないか」という疑念を子どもながらに持たせたくらい凄く、その凄さを裏付けるかのようなものとして今日のはらたいらの紹介VTRにあった「日本雑学大賞受賞」を挙げておく。何だ、「日本雑学大賞」て。聞いたことない。でもなんとなく凄いことはわかる。

さて、そんな伝説の回答者はらたいらがどんな問題を作るのかとこちらは期待しながら番組を見ていたのであるが、結論から申せば、回答者としての伝説には足元にも及ばないほどの平凡な問題しか出題をしなかった。拍子抜け。

ここではらたいらが出題したクイズを紹介する。比較としてアイドル熊田曜子の出題も紹介。

「めがね」が答えのクイズ
はらたいら:ラーメンを食べるとくもってしまう
熊田:わたしの朝と夜はこれで過ごす

「かさ」が答えのクイズ
はらたいら:てるてる坊主が申し訳なさそうに下を向く
熊田:誰でも一度は忘れたことがある

「骨」が答えのクイズ
はらたいら:おじゃこ(ちりめんじゃこ)からこれを取るのは非常にたいへん
熊田:人間が最後になるもの


えーと、こんなもんだ。もう1問「ちょんまげ」の問題があったが、忘れたので割愛。

はらたいらは言うまでもなく本職が漫画家なので、ちょっとしたイラストも問題には添えられていたのだが、別にそれがどうということもなく、問題から受ける印象はごくごく普通。雑学があるような部分を全く垣間見せることがなく、どちらかといえばとんち系のクイズである。それに対して熊田曜子はアイドルにありがちな頭の悪い問題ではなく、それなりに考えられたクイズであり、両者の出題者としての評価はほぼ同レベルだと考えてよい。

別に熊田曜子をバカにするつもりはないが、クイズに関して言えばはらたいらと熊田の差は歴然としている。その観点で考えればはらたいらと熊田が同レベルであるというのは、熊田が凄いというよりもはらたいらがあまりに普通すぎたということだ。
ただ、ここでひとつ考えるに、はらたいらはわざと雑学系の知識を用いた問題を出してこなかったのだろうとも思える。というか、そう考えたほうが自然だ。はらたいらが現在のうんちくブームを好ましく思っていないのか、それとも自分なりに考えてうんちく的なものを出さないほうが良いと思ったのかはわからないが、はらたいらが敢えてうんちく的なものを出さなかったと見たほうが合点がいく。

もっと言えば、勝手に視聴者である自分が「はらたいらだからきっと我々の知らないような雑学の問題を出してくるに違いない」という思い込みでもって番組を見ていたからこのような見解になったわけで、最初からはらたいらにはそんな雑学めいた問題を出す気などさらさらなかったのかもしれない。全てはこっちの過剰な期待による「がっかり感」なのかも。

しかし、番組制作側も、はらたいらにはそのような「雑学めいた問題」を期待していたような気がするんだ。大橋巨泉と並べたことに「クイズダービー」以上の意味はないと思うが、それと同時にはらたいらには当時の雑学王な側面を期待していたような気がする。別にはらたいらの書く漫画を期待して呼んだわけではないだろう。だったら、はらたいらももう少しこっちの期待に応えてくれてもよかったんじゃないか。

平たく言えば「はらたいら、空気読め」であるが、それ以上に空気を読むどころか自分で空気を支配しようとする70過ぎたジイサンがいたのでこれ以上は何も言えないだろう。


余談ではあるが、自分ははらたいらの立ち姿を初めて見たかもしれない。小さかった。