テレビの不祥事

ここんところいわゆる「テレビの不祥事」ってのが多い。日テレの視聴率操作にしろ、TBSの石原都知事発言捏造にしろ、どっちも「やっちゃいけないこと」である。

日テレの視聴率操作は、いわゆる「単独犯」(プロデューサー個人の判断、ってことになってる)なのだが、TBSの発言捏造は「局の体質」が問われるという意味で大きく違うような気がする。さて、しかしこれに乗じて両者を叩くだけ叩けばいいかといえば、そういう問題でもないとは思う。

日テレの場合、最近視聴率4冠王の座をフジに奪われ、かなり数字にはナーバスになっているという話も聞く。ただ、その番組P自体が買収した数字というのは1%にも満たない数字である。これが大きいのか小さいのかといえば、結構大きな問題なのだ。ご存知のとおり、テレビ番組というのは20%を超えたら大成功と言われる(まあ、モノによるのだが。紅白なんかは50%とらないと失敗とか言われますし)のだが、そのうちの0.1%だってかなりの数字であることはなんとなく察しがつくだろう。

ただ、関係者から言わせればその「0.1%」が非常に大きな数字なのかもしれないが、視聴者から言わせれば「そう大きな数字でもない」と思うのだ。

自分のように普段からテレビ中心の生活というかなり不健全な人間にとっての評価と、普段の生活を送る上でテレビが脇役となっている人にとってのこの差は計り知れないものがある。そう考えると、数字が0.1%違ったところでほとんど目に止まらないような事件であるのは、実態としてそういう感覚があったとしてもおかしくはない。これが5%とかだったらまたさらに大きな問題なのかもしれないけども。

テレビ関係者には大きな問題であったから、ニュース番組では結構大きく取り上げられたりもしたが、一般大衆には「それほど大きな事件ではない」という感覚のほうが、むしろ自然のような気がするのだが。第一、数字の動向など視聴者にはあまり関係のないことなのである。

まあ、だからといって視聴率操作をしていいという話でもないのは言うまでもない話だが。

TBSの事件については、局が局だけに

「 ま た T B S か 」

で済まそうと思っていたが、意外に問題となっているので自分でも触れておく。石原都知事の「日韓併合を100%正当化するつもりはない」という発言を、日曜の朝に放送している「サンデーモーニング」内で「日韓併合を100%正当化するつもりだ」とテロップで放送し、意味としては間逆の立場になったというわけだ。

石原都知事の最近の発言は、こういうバカなマスコミを挑発しているとしか思えないほどの暴れっぷりなのだが(まあ、やりすぎな部分もあるけども、決してウソを発言しているわけではないからなぁ)、その挑発を利用したTBSがまんまと返り討ちにあった形である。

どんな言い訳をするにしても、これはもう謝罪以外の何物でもない事件である。日テレの「数字がほしい」という、やってはいけないけれども、まだその心情がわからんわけではないという部分にくらべ、この事件は完全に石原都知事に対するいやがらせに他ならない。完全な報道被害石原都知事は被っているわけである。

どうやらこの件に関してTBSは「ジャスト」内において謝罪したようだが、普段サンデーモーニングなんて見てるかどうかわからん主婦ターゲットの番組において全然関係ない番組の謝罪で済まそうとする態度は、どうも呆れるばかりだ。ちゃんと自局の不祥事ながら夕方のニュースでトップ報道した日テレのほうがまだ好感がもてるというもんだ。

しかし、こう不祥事ばかり起きるのを手放しで批判していいのだろうか、とここで自省する必要があるはずだ。自分たちだって、やましい部分はあるのではないか?まあ、ないにしてもあるにしても、他人の揚げ足を取っていい気になってるのは、結構みっともない行為であることをちゃんと自覚しておくことが、今後こういう事件を起こさないための第一歩であると今回は締めさせていただく。つまり、何が言いたいのかといえば

他局の揚げ足報道を嬉々として報道するテレ朝、カッコ悪い。

と、公共広告機構のかつての前園のCMばりに叫んでみたくなるのである。