11/1から「DOWNTOWN+」が配信開始されるじゃないっすか。
ダウンタウン松本人志が文春の報道を受け裁判に注力するとしてテレビから姿を消したのが2024年のことでした。同年11月には松本側が訴訟を取り下げたものの、そこからテレビに復帰する等の動きが見られなかったが、今年に入って独自の配信プラットフォーム「DOWNTOWN+」を始動させることを発表した、という流れ。
松本の性加害に関する疑惑が依然として残る中、配信が開始されるという点に反発する人もいるのだとか。特に配信番組に出演が予定されている芸人のファンがああだこうだ言う投稿がtwitterあたりには散見され、なんだか不毛だなと思う。別にダウンタウンの番組に出ることが加害を容認しているだとか松本側に立っているというわけでもなかろう。出演する芸人だってそこらへんを全部ひっくるめて考えてオファーを受けているだろうに。自分の意識が先走って応援する芸人の人格を考慮しないっていうのはなんだかよく分からないが、まあそういうもんなのだろう。
言い方は悪いかもしれないが、こんな風に言われてしまうリスクを抱えながらも、それでも多くの芸人(じゃない人もいるけど)が出演する。もちろんギャラが高いとかの理由があるのかもしれないけど、やっぱり芸人の立場からすれば「ダウンタウンの番組に呼ばれる」ということは特別なことなのだろう。世間への見え方も大事ではあるが、それでもなお出演する人がたくさんいるということは、出演する側の評価としてそういうことなのだ。これって結構大事なことじゃないかと思うのだけど。
だからまあ、注目度は高い。とりわけお笑い好きなら見ない手はないくらいの勢い。月額1100円と少々高額ではあるものの、それでも多くのお笑い好きが目にするのだろう。
でも自分は見ない。なぜなら、月1100円を払って見るまでの興味と期待がないからだ。
これは性加害がどうこうの話のポリシーはまったく関係ない。もし松本にこのようなトラブルが起きておらず、今もって現役でバリバリテレビに出ていたとしても、いや出ているのならなおさら見る気がしない。バラエティ見るのにお笑い見るのにお金払ってまで見なくても、自分は無料のテレビバラエティでいいやってなる人。
こういうこと書くと「コンテンツに金を払わないとか大人のやることではない」とか言われそうだ。いや言われてるな既に。もっともだと思う。そりゃ自分だって見たい配信は金払って見てきた。けどテレビで散々無料で見てきたダウンタウンの、松本人志のお笑いを、今更金払って見るほどの興味があるかと言われれば、正直そんなにない、というだけの話。
でまあ自分で気づいてしまったんですよ。ああ自分は本当のお笑い好きじゃないなって。ずっとお笑い好きだと思って40年ちょっと生きてきましたけど、結局ダウンタウンの配信見るのに毎月1100円払うのが惜しいくらいにしか好きじゃないんだって。自分にがっかりしている。松本の報道に対するポリシーを抜きにすれば、お笑い好きなら誰しもが金払って見るようなコンテンツに食指が動かない。こんなもんお笑い好きでもなんでもないじゃん。同様の理由で「めちゃイケ」岡村オファーシリーズ最新作の配信も全くそそられなかった。こっちに関しては「終わるべくして終わった」番組という認識があり、これ以上もう何を見せられても「終わってるしなあ」としか思えないからだ。
自分はただ「テレビから無料で流れる無駄に面白いバラエティ」が好きだっただけなんだと思う。自分の世代にとってダウンタウンはお笑いの象徴みたいなもの。その象徴がこれから作る笑いの世界に金が払えないだなんていうのは、それはもうお笑い好きでもなんでもないや。自分の何か新しいものを受容しようとする貪欲な感性が鈍ってきている証拠だ。このまま朽ちるがいい。
ただ、その一方で「過去に松本人志の映画に金払ったことへの不信感じゃねえかな」って気も少しだけするので、そういう泥みたいな自分の感性のほうはいまだ現役だねえとも感じる。あとまあほんの少しだけ「これだけ大風呂敷広げておいて本当に面白くなるの?」は正直ある。


