気の毒

めちゃイケ」の笑わず嫌い王の後半戦。COWCOW小藪千豊、フルーツポンチ、ナイツ、土肥ポン太が登場。


土肥ポン太が披露した「お嫁サンバ」のカメラマンネタは二日前に放送された「アメトーーク」のものと一緒だったのが勿体無い。収録はどちらが早いのか知らないけども、なんだか損した気分にさせられる。また、R-1でこのネタを披露してればもっと評価高いのにと思わせてくれるのだけども、おそらくR-1決勝の尺である4分も保たないのだろう。だからといって今年のR-1決勝で見せたようなネタはダメだよなあとか思いながら。


本題はCOWCOW。既に15年選手とキャリアも長い中堅。彼らの漫才は「爆笑オンエアバトル」に出場していた頃に結構見ていた記憶があり、ベタなんだけども結構笑ってみていた記憶がある。しかしいわゆるお笑いブームに乗ることが出来なかった世代であり、いつのまにかこんなポジションに。彼らは決してつまらないから売れなかったわけではない、と思う。


しかし今回「めちゃイケ」で披露した漫才は、正直あまり面白くなかった。おそらくとても緊張していたのだろう。当然に自分が窺い知ることは出来ないけども、「めちゃイケ」の笑わず嫌い王は独特の緊張感があるようだ。先週の放送で夙川アトムがなんだか分からなくなって泣いてしまったように、そりゃあもう緊張する場所なのだろう。だから15年選手であるCOWCOWだって緊張したって少しも不思議ではない。だから今回の出来だけでもって「COWCOW面白くないよな」と判断するのはやっぱり可哀相ではある。


ただ、主観ではあるが事実として、今回披露した漫才は面白くなかった。それは間違いない。自分はオンバトなどで見た漫才が面白かった記憶があるからこそ「COWCOWもっと面白いのに、今日のはあんまり面白くないよなあ」と思うのだけども、そうでない人からすれば今回の漫才は「単にあまり面白くない漫才」に映ったのではないだろうか。以前に見たことがなければ、もっと面白いのかどうかを判断することは出来ない。当たり前なんだけど。


だから、ナイナイや小池栄子、千秋らの出演者が今回の出来の悪かったCOWCOWの漫才を見て妙に絶賛する姿を見て、なんだか「そこまで面白いかなあ?」と思わなかっただろうか。自分はCOWCOWがもっと面白いと思っているだけに、あんまり面白くない漫才を絶賛されているのを見て逆に気の毒に思ったのだが。


今回COWCOWの漫才をはじめて見てイマイチピンと来なかった人からすれば「そんな絶賛するほど面白いか?」という疑問が沸くし、COWCOWのもっと面白い漫才を見ている人は「それは褒めすぎじゃないか?特にCOWCOWナイナイ岡村と親しいから褒めてるだけなんじゃないのか?」と余計な勘繰りまで入れたくなるというものである。どっちにせよCOWCOWにとっては得になっていない。あの画面の中だけで絶賛が完結されており、視聴者は完全に置いてきぼりだ。


もちろん今しがた芸を披露した芸人を前に酷評は出来ないし、労をねぎらって褒め囃すのは至極当然だとは思うんだけど、テレビの中の温度とテレビを見ている茶の間の温度があまりに違うのはやっぱりちょっと気持ち悪い。特にCOWCOWは実力があるコンビなのに、温度差のある評価でもって逆に「テレビでは褒め囃していたけど、大したことない」と過小評価されるのは気の毒だろう。誰も悪い人はいないうえに誰も得しないというのは不幸の極致だろうなあ。