ダンディハウス

思いっきり北海道ローカルな話題を週明けに持ってくるこの無謀さ。


プロ野球パリーグ20日に開幕しまして、北海道では札幌ドームの日ハム戦が木土日と全てテレビ中継されました。一昨年日本一になったので昨年は俄然ローカルのテレビ中継が増えたのですが、今年はそれに輪をかけて放送予定があるようだ。日テレ系のSTVが巨人戦を潰して日ハム戦を放送してくれるのは構わないんだけど(それでもSTVの中継は鬱陶しいのであまり好まんけど)、他局含めて通常放送されていたはずの番組を潰してまでローカルで野球を中継するのは勘弁願いたい。野球好きだけど、そこまでされると困る。


テレビ中継が増えたということはそれだけ日ハム戦の数字がいいということであり、巨人戦の数字が低くなって野球人気が衰えているなんて言説がハナクソに思えてくる。野球中継が増えると、ドームに広告を出しているスポンサーにもテレビによる充分な宣伝効果が認められるわけで、一昨年に比べて札幌ドームの広告が増えたように思える。特に日ハムベンチには広告が増えた。


テレビ中継を見ていると日ハム側のベンチが度々映るのだけども、ひとつだけ非常に気になる広告がある。それは「ダンディハウス」の広告。


「ダンディハウス」は男性専門のエステサロンである。この広告が梨田日ハム新監督の後ろに常に表示されているので、イヤでも気になるのだ。プロ野球のベンチは選手が気ままに座っているように見えるが、あれでいて座り位置は大体決まっている。特に監督が座る位置なんてのは同じだ。


そこに目をつけたのだろうが、ダンディハウスは梨田監督の座り位置の後ろに堂々と広告を出しているのである。昨年までのヒルマン監督もよく中継で映されていたが、今年から監督となった梨田監督も采配が注目されるせいかよくカメラに抜かれる。その度映る「ダンディハウス」。もしかしたらスポンサーの関係で梨田監督がダンディハウスの前に座るように指示されているのかもしれないけど、そんな話は聞いたことがない。


でまあ、なぜに梨田監督の後ろにダンディハウスなのか。単に「たくさん映る」ということもあるんだろうが、おそらくは「梨田監督はダンディである」というイメージに引っ掛けた広告の打ち方であると思われる。プロ野球ファンと北海道在住の方以外にはあまりピンと来ないだろうが、梨田監督はなかなかのダンディマンであり、在道のテレビ局の番組に出演するときも「ダンディな梨田監督」と紹介されることも多い。


だからこそダンディハウスは梨田監督の後ろに広告を打つことでダンディの相乗効果を狙っているのだろう。まあ「ダンディの相乗効果」なんてものが存在すれば、の話ではあるが。要するに「人物が連想させるものの広告を打つことでより広告効果を高める」ということなのだ。


でもこれって、「ダンディ」だからまだいいものの、そうではないものの場合にはちょっとした物議をかもしやしないだろうか。


例えばいまやスキンヘッドで全国区でもお馴染みとなった森本稀哲ひちょり)選手の後ろに包茎手術でお馴染みの「上野クリニック」が広告を打ったらどうだろうか。森本選手の頭を見て連想されるズルムケでみんな包茎を治そうと思えば広告効果はアップするのかもしれないが、普通に考えれば森本が「俺の頭は亀頭じゃねえぞ」とそれを許さんだろう。また、全くその気配がないのにいつのまにか後ろに「アートネイチャー」やら「アデランス」の広告が常に後ろに表示された選手がいたとしたら、事実かどうかは別として「こいつはヅラです」と言われているようなもんだ。本当に顧客だったら目も当てられない。


もちろん広告主の審査というのはあるのだろうけども、かといって特定の選手の後ろにあるからダメという線引きをするのは非常に難しい。誰がどんな基準でもってそれを決めるのかは曖昧もいいところだ。上野クリニックが森本の後ろではなく稲葉の後ろだったらいいのかと尋ねられればそれは単純に困るだろうし。しかも選手個人へのスポンサードではなく、あくまで札幌ドームや日ハム球団に対するスポンサードであるから余計に厄介だろう。


「ダンディな監督だからダンディハウス」という発想は単純かつ明快ではあるが、だったら森本のスキンヘッドでズルムケはアリなのか、という議論に発展してもおかしくない。というか自分がそう思ったんだけど。札幌ドームや日ハム球団は森本の座る付近に上野クリニックの広告を拒否できる積極的な理由はあるんだろうか?ないのであれば、梨田監督のダンディハウスも丁重にお断りすべきな気がするんだけどなあ。


(追記:この「ダンディハウス」の広告、2008年は札幌ドームに限らず東京ドームなど他球場でも見かけました。つまりは梨田がダンディというわけではなかったようです。)