「しゃべり場」という泥沼

真剣10代しゃべり場」という番組が世の中に出現してもう4、5年経つのではなかろうか。正式な記憶は定かではないが、自分が高校生の時にはもう始まっていたので少なくとも4年はやっているはずだ。よくもまあこんなに続いたもんだ。

現在もしゃべり場は金曜の深夜に放送中であり、10代の若者が熱いトークを繰り広げている。

と、書いてはみたものの、もはや「しゃべり場」という番組は自分を非常に悩ます存在でしかない。

始まった当初に比べ、今出演している10代の圧倒的な「10代っぽくない10代」ぶりは、初期に比べてエスカレートしている。あいつら本当に10代なのか。いや、中にはモロ10代の青い春な病気にかかっている奴もいるが、中には「オマエは馬の年齢でいうところの10代か?」と尋ねたくなるようなやつまでいる。

別にそんなことが問題ではない。自分も10代の頃から既に見た目が30代だったのでそこを指摘することは自分の首を締めるのと等しい。

今、「しゃべり場」を見ている人間は二手に分かれると思う。ひとつは「真剣にしゃべり場を見ている10代、もしくはその10代に近い感性のお方」である。そしてもう一方は「真剣な10代を見て笑う非10代」であろう。自分は後者。

しゃべり場」をそのように楽しんでいるお方は、自分以外にもいるはずである。いないわけがない。ちなみに自分にとって「しゃべり場」とは、「爆笑オンエアバトル」が始まるまでに「笑える空気」を作っておく重要な場つなぎである。(ちょうど時間帯がオンバトの前あたりなので)

しかし、最近、この「お笑い番組としてのしゃべり場」という捉え方に疑問を呈すようになってきた。なぜか。

俺、こいつらに釣られてるんじゃないかと。

「釣られる」とは、2ちゃん用語でいうところの「引っ掛けられている・騙されている」という意味だが、自分はこの「しゃべり場」メンバーにもしかして一杯食わされているのでは?とたまに思うときがある。「いくら青臭い10代の輩とはいえ、こんな発言しねえだろ」とか思ってたりすると、実際にそんな発言しやがったりするんですよね、彼ら。それが若さゆえの過ちといってしまえばそれまでなのかもしれないが、自分の知り合いには10代でももっとクレバーな奴等はたくさんいたし、自分のように物の見方がひねくれているやつだっていた。そんな人間は10代からでも「しゃべり場」を斜めに見る楽しみを知っていたはずだ。

となれば、自分が10代であることをいいことに、「真剣」な10代に混じって「不真剣」に「真剣」を演じているやつが存在しててもなんら不思議ではない。いやむしろそっちのほうがごく自然である。

もしそんなメンバーがよってたかってよりによって集合し、「こいつら10代って本当に青いな〜」とゲラゲラ笑っている自分のような存在を、さらにブラウン管の前で笑っているのでは?という恐怖というか願望というか、そんなことをたまに感じるわけである。

もちろんNHKさまはそんな汚れた心の持ち主ではなく、純粋な10代ばっかしを集めているはずなのでそんな心配はいらないと思うんだけどね。いや、待てよ?やっぱり本当はNHKも見抜いていて・・・・

と、考えれば考えるほど泥沼にはまっていくと夜も眠れないのだが、「爆笑オンエアバトル」を見て笑ったのですっかり解消。本日も熟睡できるでしょう。