出川哲郎、真骨頂

ぐるぐるナインティナイン」の人気コーナー、「ゴチになります!」において、出川哲郎がクビになった。年間を通して最も自腹金額が多かった人がクビになるというルールのもと、昨年1年間をやってきたわけで、今日その結果が発表されたわけだが、出川が自腹最多金額に輝きクビとなった。

最後までクビを争ったのはオセロの中島であったが、正直出川がクビでよかったと思う。出川がこのコーナーに必要ないということでは全くなく、ただ単に中島がクビになるとイヤな雰囲気のまま番組が終わってしまいそうだったからだ。その点リアクションで食べてきた出川の散り方は素晴らしいものであり、芸人として満点に近い散り際だったように思える。

出川といえば、「抱かれたくないタレント」で毎年上位に食い込む芸人として有名であるが、最近では「恋愛博士」なる称号も「さんま御殿」にて与えられるなど、活躍の場が若干広がっているようにも思える。だからといって出川の評価が世間的に上がっているというわけでもない。

そもそも、出川の持ちネタは「恋愛」「パンチ佐藤の先輩」「昔はワル気取り」「老舗海苔屋の息子」「やばいよ」など、まあパターンは決まっているのだが、それでも出川がなかなかブラウン管から姿を消さないのは、それらのネタ以上に信頼に足る「何か」を持っているわけで。

言うまでもないことなのだが、それは一流の「リアクション芸」である。出川クラスのリアクションになると、肩を並べることが出来るのはダチョウ倶楽部などごく僅かの芸人になる。で、ダチョウもそうなのだが、彼らはリアクションを取った後(大抵酷いことをされたとき)には「決めのセリフ」があるのだ。ダチョウの上島竜兵であれば「訴えてやる!」が非常に有名であろう。

しかし、出川の場合は知られているようで案外知られていないのではないだろうか。

「お前らつくづくだよ!」

このセリフ、一度は耳にしたことがあるだろうか。今日もゴチのクビが決まり去り際に一言、こう言い放ったのである。

だが、この言葉。よくよく考えれば考えるほど意味がわからない。「つくづく」て。本来なら「つくづく」どうなのか説明する形容詞が必要なのだが、このセリフにはそれがない。しかし、そこがこのセリフの凄いところでもあったりと思うのだ。

文法的におかしいからこそ、その時の出川の心情がストレートに放たれているとでもいうのだろうか、そういう「悲哀」を感じずにはいられないのだ。しかしそれでいて確実に笑いを取りに来るこの言葉こそ、芸人出川哲郎の真骨頂だと思うのである。これを聞けただけでも、出川が4年もの間ゴチのレギュラーをやっていた価値があるというものだ。


話は全く変わるが、ロンブーの淳ってもう30なんですね。フライデーに某アイドルとのキス写真を取られたという芸能ニュースを見てて、その時ふと年齢を見たのだが、そう思った。ロンブーってのは素人や、それに近いアイドルや芸能人をいじるのは天下一品だが(逆にそれを取ると何も残らないが)、30過ぎても、というかこの先ずっとこの芸風を維持できるのかどうか他人事ながら若干心配になった。アイドルはべらしてる場合じゃないと思うんだが、ロンブー。

年末にロンブー淳がメインで芸人をいじめ倒すみたいなお笑い番組をやってたけど、自分にはロンブー淳がそれほどのもんかねと思ってしまい、あまり見る気がしなかった。なんとなく自分の中では「小物界の大物」みたいな立位置に思えるんです。実力のある若手が増えてきた現在のお笑い界で、唯一バブルのような人気のロンブーはこの先どうなるんでしょうか。5年後にはいないかもしれんなぁ。