最初からちゃんとやってよ

ドラマ「Get Ready!」を初回から4話まで一気に見たのですが、まあまあ疲れました。

 

仮面の闇医者集団が大金の報酬と引き換えに患者を治していく、という簡単にいえばブラックジャック的な話なのだけど、回を重ねるごとに多少見やすくなってきたというか、裏を返せば初回があまりに酷くて脱落した人も多そうだな、と思う。昨年の「DCU」といい、日曜劇場は1月期に主力メンバーが全員休暇でも取るのか、と思うくらいの酷さだった。そのスタートからすれば4話はだいぶマシ、という感想です。

 

主演の妻夫木聡はTBSに何か借金でもあるんじゃないか、というくらいにブラックジャック然としている(特に髪型)し、藤原竜也はもうずっとSKYだし(ちゃんとSKYのCM入るし)、松下奈緒は「ガイアの夜明け」で小芝居やらなくなったくせに、このドラマでは妙に小芝居じみているし、ツッコミどころを挙げればきりがない。

 

中でも一番自分がダメだったのは、堤幸彦演出が全面に出ている部分。これに関しては昔からのファンがいて、その手法を喜ぶ人がいるのだろうから、一概に悪いと言えない部分があるんだけど、自分に合わない。あんまり気にしている人がいないかもしれないけど、基本薬剤臭い医者がケーキを作り、そしてその高級ケーキを女子高生(當間あみ)が一口めで豪快にかぶりつく。これが嫌い。堤幸彦は女性が豪快に食べものを食らうのが好きなのだろうが(「SPEC」の戸田恵梨香とか)、ああいうケーキをああいう風に食うことに、ケーキへのリスペクトを感じないのだね。これはもう個人的感情。

 

その他今までの堤幸彦作品を見てきた人ならよだれを垂らして「待ってました!」的な演出が多々ある(はず)わけだが、個人的には「もうそういう時代じゃねえよなあ」と思えてしまう。そういう演出で一時代を作ってきたひとだから、そりゃやるんだけど、なんか逆に古臭く思えてしまって。

 

でもそこらへんのフラストレーションが回を重ねるごとに少しずつ薄まっていき(決して消えたわけではない)、話も少しシリアス加減になってきたかなと。なんかこういうドラマ最近も見たような気がする、と思っていたのですが「初恋の悪魔」でした。

 

昨年日テレで放送された「初恋の悪魔」。脚本が坂元裕二。ドラマの入りがコメディチックで、これまた自分が苦手な感じだったのだけど、回を追うごとにシリアスの要素が入ってきて、最後は全然雰囲気の違うドラマに。これっておそらく「最初のドラマ雰囲気はフェイクであり、視聴者の予想を裏切るような展開」を意図しているんだと思うんだけど、自分としては「最初からそれじゃダメなのか」とは思ってしまうんだよな。

 

前フリがあっての展開、というのは分かる。それこそ「城塚翡翠」はそういうドラマだったし。しかし前段として「これじゃあ見る気もなくなる」という前フリはドラマにとって損しているような気しかしない。変化球のドラマも楽しいけど、ストレートに「こういうことやるんじゃあ」って見せてほしいんだけど。

 

もちろんドラマ作っている側はそのつもりなのかもしれないけど、それにしちゃあスベり気味じゃないか、というのは言い過ぎなんだろうな。

 

 

今期の見ているドラマでは「ブラッシュアップライフ」が頭3つくらい抜けていて、手堅い「罠の戦争」とその他大勢、つう感じです。まだ「リバーサルオーケストラ」見れてない。「どうする家康」は毎回毎回「見るのどうする」という感じで、そろそろ諦めそうです。