小手がおかしい

テレ東で放送されていたホラードラマ「何かおかしい」をまとめて見ました。

 

ラジオの生放送を軸に起こる「何かおかしい」事件。ラジオとインターネットの同時性を上手く使って「現代ならでは」のホラーを描いている。

 

正直なところ、最初のほうはあまり面白いと思わなかったのですよ。それはドラマ内で起きた事件の中身を丁寧に解説してしまうことに対して「何が怖かったのか、の余白をこちらに託してくれないのかあ」と思っていたからだ。自分の中でのホラーの基準はやはりフェイクメンタリーでもある「放送禁止」であり、このシリーズは「何が起きていたのか」をやんわりと見せはするけど、全てネタばらしするようなことはない。そこに「自分で考える」楽しさがあり、怖さに深みが生まれると思っている。

 

だから自分からすれば「そこ説明しなくていいよ」にしかならないんだけど、同時にこれは「今っぽいのかな」とも思っていた。動画を倍速やシーン飛ばしで見るような世代からすれば、全てを自分で見て理解するのではなく、そこに「こういうことでしたよー」という解説があったほうが手っ取り早く親切だという話なのだろう。自分はそこに面白さや価値は感じないけども、そういうニーズがあるのであれば仕方ないのかな、くらいの理解。

 

だから最初のうちは「これが最後まで続くのかあ。面白くなりそうではあるけど、ちょっと蛇足でもったいないなあ」と思っていた。しかし全6話のうち、最後の2話になると話が変わってくる。そう、小手伸也の登場だ。

 

ラジオ番組を舞台にしていたこの話、日替わりの帯番組で月曜火曜の担当はヒャダイン(第1話・3話)、水曜木曜担当はオリラジ藤森(第2話・4話)ときて、金曜担当が小手なのだ。この並びだけでもちょっと笑える。昼から夕方の帯番組でヒャダイン、藤森ときて小手というのが既に「何かおかしい」もの。しかし最後まで見終えた今、ここに小手がいる意味はよく分かる。むしろ他の2人は小手が使いたいがための前振りでしかない。

 

メインパーソナリティ小手のアシスタントは野々村真の娘の香音。月曜火曜のアシスタントが岡田結実(念のためますだおかだ岡田の娘)ってのでこれも「何かおかしい」(というか遊んでいる)と思うのだけど、少々小手と険悪なのも面白い。もちろんこれもドラマの最後につながるフリではある。全部書いてしまうのはさすがに気が引けるので書かないけども、やんわり小手の不倫もイジられているのが最高だ。

 

このドラマの核心部分は、小手が大活躍する(と自分だけが思っている)5話6話だけ見ても分かる。これを書いている時点では4~6話は「Tver」でも見ることができるので、興味のある人はぜひ見てほしい(1~3話はYouTubeで見ることができる)。前半は解説に蛇足感が強いので、そういうのが見たくない人は5話6話だけのほうがいい。

 

「何かおかしい」ってのは大事な感覚で、それに気づいた時にどうにかしないと、あとで後悔しても遅いつうことをこのドラマは伝えてくれています。つまりはこういう話。

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いまだに倖田來未のCMはホラーだと思ってるけど、それはドラマとは直接関係がない。どうやらシーズン2も決まり早々に放送されるらしいので、気になる方は2が始まる前に。