社会に認められる肩書き

社会通念上の肩書きは大事です。

 

自分の場合は「会社員」です。ダメ社員なので会社に対する帰属意識は殆どゼロですけど、雇用契約があり、月給をもらっている立場なので、履歴書に書くとしたらこうなる。「職業は何ですか?」と聞かれればもうちょっと突っ込んだ説明のできる肩書きもありますが、広い意味では会社員です。公務員ではありません。調子こいて「物書きです」とか言ってもいいんですけど、お金が発生していない時点で職業ではないですね。

 

ただまあ所詮肩書きというのは「他人に紹介する自称」ですから、別に「会社員」だろうが「物書き」だろうが「おっぱい大好きおじさん」だろうが「100日後に死ぬことはわかっているのに、そんなにメディアミックスしたら用意周到感が強すぎて叩かれることはよく分かってないワニ」とか書くのは自由なんですよ。ただまあ銀行で融資を受けるときに「おっぱい大好きおじさん」はたぶんダメです。社会通念というのはそういうことです。

 

だから個人的に先日の「アタック25」で「YouTuber」が肩書きのオジサンが登場したことに、自分は軽く衝撃を受けた。

 

アタック25」は素人が参加するゆえ、テロップにて肩書きが紹介される。「アタック25」は予選に参加し、そこから本戦という仕組みになっているので、予選も本戦も参加できる(つまり仕事を休むことができる)比較的安定した職業の人が出場してくることが多い。先生だとか医者だとか公務員だとか。

 

その一方で「無職」だとか「フリーター」だとかいう肩書を見たことがない。時間と知識だけは有り余っている人はいるだろうに、この数十年間一度も見た記憶がないので、おそらく出場していないはずだ(していたら逆に教えてほしい)。仕事を引退したご高齢の方はここにカウントしない。

 

自分はこれを「身元のはっきりしない奴はアタック25の出場資格を満たしていない」と解釈していた。予選参加の段階ではじかれるのか、はたまた予選で高得点をとっても無職やフリーターに機会を与えていないのか、それとも単に無職やフリーターにクイズの実力がなかったのかは分からない。けれどまあ何にせよ「アタック25に必要なものは知識とちゃんとした肩書きだ」と自分は長い間思っていた。

 

しかし令和のこの時代、ついに「YouTuber」という肩書のオジサンが出てきたのだ。自分の中で「YouTuber」なんて肩書きは「無職」に対する「家事手伝い」と同じ程度の言い換えでしかないという認識だ。ヒカキンやキングコング梶原くらい稼いでいればまだしも、そうでもないオジサンが名乗る「YouTuber」は「無職」と言って憚らないに等しい。遂に無職がアタックに出る時代に!時代は変わった!と一瞬思った。

 

ただまあちゃんと自己紹介を聞けば、ムチャやって再生回数を稼いでいるような人ではなく、数学に関する教育系の動画をつくっていて登録者数も10万人を超えているというのだから、おそらくそこそこの収入が発生しているのだろう。だから肩書きとして「YouTuber」は妥当ということになるのかもしれない。さすがにアタック側もまだ「無職」的なYouTuberを出すほど時代は変わっていなかった。そして優勝しちゃうんだから実力的も文句なしだった。

 

そう考えれば地獄のような底辺YouTuber(の説が次回の「水曜日のダウンタウン」で登場するのは偶然だろうか)がアタックに出場することはまだまだ先ということになる。自分の中での底辺YouTuberの象徴であるBUNZINさん(「そんなバカなマン」でバカリズムとの絡みが印象的)が「YouTuber」としてアタックに登場するようなことがあれば、自分はそっとテレビを消したい。

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