ひとでなしとなじられて

何が起きたのか、芸能界は結婚ラッシュです。

 

11月22日がその数字にちなんで「いい夫婦の日」というのは割と知られた話。なもんで、それを狙ってか、はたまた総理の陰謀か(少なくとも首相経験者が言う話じゃあない)ここ数日で立て続けに結婚、結婚、また結婚のニュース。令和元年のうちに、という気持ちもはたらいているんでしょうか。

 

壇蜜さんの「ついに人妻か!」的な驚き、メイプル超合金安藤なつの「年齢不詳感はあるけどそりゃけっこういい年齢」という収まりのよさ、さらにはオードリー若林の「ラジオスターとしての矜持」、そんでもってイモトアヤコの「全員から祝福される最高の結末」まで、ありとあらゆるパターンが出てきた。まだ他にもいたような気がするが、たぶん気のせいだろう。川村ゆきえとか髭ダンの人とかのことだね多分。

 

30代後半独身男性結婚の予定なし、という独身貧民の自分からすれば、この手の話題は「苦虫強制噛ませ的な話」である。いや誤解なきように言えば、これで自分が「日々婚活に励んでいる結婚必死系男子」であれば本当に「悔しいです!」的な話になってしまうんだろうが、自分のような「阿部寛の1000倍くらいスペック低いけど結婚する気がない男」からすれば、他人の幸せは素直に「よきかなよきかな」なのである。もちろんふとした瞬間に絶望的な寂しさが襲ってくることはあるが、それは結婚することによって失われる色々と引き換えにするものなので、仕方ないと割り切っている。結婚したらこんなところで超絶しょうもない文なんて書いている暇ないですからね。

 

社会的に面倒なことといえば「子育て」という共通の話題がない大人からは「結婚しないの?」と言われ続けること。もうこれも仕方ない。いい歳の大人は大抵の場合「結婚」「子育て」が共通の話題になる。自分のような「普段何をしているのか得体の知れない人間(=ただ家でテレビを見ているだけ)」と共通の話題なんてあるわけがない。そりゃあそうなる。一方で自分も「結婚して子育てしている人と話すことなんてそんなにない」わけで、自然とそういう場からも遠ざかってしまいます。まあ元々社交性なんてものは持ち合わせてないんですけども。

 

個人的には何の不平も不満もないのだけど、「次の世代を育て、社会に貢献する」という意味では著しく社会に貢献していないという負い目は常にある。税金が所帯持ちより高かろうが、同じだけ、いや他人以上に働いていても絶対に手にすることのない「家族手当」がつかなかろうが、社会の一員として諦める所存だ。とはいえ全ては「年末調整すげえ楽」と相殺されてチャラになると言ってもいいだろう。哀しきサラリーマンである。

 

だから個人としては他人の結婚に「いやあ、めでたいなあ」と思いつつも、その一方でどこかの地面を這うように「お前は結婚もできないひとでなしだな」という意識が自分の中に入ってくる。自分ではそれでいいと思うのだが、社会の中にいる客観的な自分がひとでなしとなじってくるのだ。

 

そりゃこの歳で「このご時世に日がなテレビばっか見てる」「ももクロちゃんを愛してやまない」独身なんてのは、人間としてどうかしているとしか思えない。30過ぎて独身のやつなんてどこかしら欠陥があるなんていう言説も、自分に照らし合わせてみれば、あながち間違いではないとすら思う。

 

先日仕事が忙しくてヘトヘトになっているとき、高校時代からの友人にLINEで「疲れてきたらススキノのメンズエステのHPを見ると頑張れる気がする」なんて軽口を送ったら「いや俺は娘の写真見るけどね」と返されて、オレ島康介が「何も言えねえ」と呟きましたよ。20代の頃ババアと出会い系でセックスしていた友人の吐く言葉じゃない。思ったけどそう返しはしなかった。だからここで書いてしまった。まあ友人はそんなことで怒る人間ではないので別に返してもよかったのだが。

 

それはともかく、「芸能人の結婚」は自分がいかにひとでなしかを再確認させてくれる装置であるように思う。みんな結婚してんのに、オマエはいつまでも独身だな、と。ススキノのメンズエステ行きたいけど結局HP見て止めるマンだもんな、と。オマエがひとでなしであることはよく分かった。たぶん読んでいる皆さんがそう思ったであろうこのタイミングで、ようやく言える言葉はこれじゃないかな。

 

 

 

有安さん、結婚おめでとう。幸せそうだから引退してもいいかもね。もうあなたの芸能人としての活動は見るに堪えないよ。堂本剛の比じゃないくらい正直しんどいね。なんだいあのクソすぎるインタビュー記事は。全てが「自分に都合のいい言い訳」じゃないか。残った数少ないファンはそんなことを聞きたいわけじゃないだろ。無論殆どの一般人はあんな長くて空虚なインタビュー読まないわけで、つまるところ誰にも向けていない言い訳の記事。本当にあなたは自分のことしか見ていない。そのくせ周りからどう見られているか自分が見えてないんだ。

 

あなたがインタビューで語っている

「実際にライブで見てもらったり、私が発信していく、表現していくもので感じてもらうしかない」

という言葉は、あなたが思っている以上に重たい。実際ライブで見て発信したものを感じ受け止めたファンが次々とあなたから興味を失っているんじゃないのかい。

 

自分は緑推しとしてあなたの脱退に関する「嘘」を好意的に「方便」として受け止めた。あなたがそこまでして抜けたかったももクロでは出来ない、ソロとしての熱く滾る何かがあったからこそ、抜けるという決断をしたのだと思っていた。しかしそんなものは存在せず、ただ年上の精神科医との歌手ごっこをするための、ただの「嘘」だった。それを自分はソロになってから「あなたが発信していく、表現していくもの」で感じたのだ。これ以上まだ何を感じさせるというのか。どんな自信があるのか。それをできればクソみたいなインタビューではなく、作品で感じさせてくれないか。

 

元推しが結婚のはなむけとして贈る最後の言葉。

 

 

 

ひとでなしは素直に結婚も祝えないんだよな。これだからひとでなしは。