あたまが おかしく なりそうだ

役者って大変ですよね。

 

佐藤浩市が映画「空母いぶき」において首相役を演じることになり、「ストレスに弱くてすぐに腹を下してしまう」という設定にしてもらったことが、安倍首相の病気を揶揄しているのではないかと盛り上がっている人がいるらしい。いやあ気の毒だ佐藤浩市

 

もちろん病気を揶揄するなんてのはいけないことだ。しかし首相という甚大なストレスがかかる(であろう)仕事で、その大変さを表現するために「腹を下しやすい」という設定はイコール安倍首相の病気の揶揄に繋がるのだろうか。全く連想しない、と言えば嘘になるんだろうけど、かといって「首相が腹を下しやすい」という設定はこの令和の世の中のタブーなのか。そんなことないだろう。例えば劇中で「あの首相はすぐ腹下すよな、しょぼいよな」とか言ってれば話は別なんだろうけど、ギリギリの決断を下す時に苦悩していることを「腹を下す」という分かりやすいストレス表現で示すことはあるだろうよ。そんなことも許されないか。

 

どうやら原作では嘔吐をしているようで、もちろんストレス表現としてそれでも構わなかったはずだ。だからこそ安倍首相を揶揄しているともとられかねない表現の変更は「悪手」だったのかもしれない。しかし自分はどうにも「考えすぎ」のような気がしてならない。揚げ足取りは政治の常套手段であるが、もはやこういう陰謀論めいた話がどこまで本気でどこまで悪乗りなのか自分には分からない。ただ一つはっきりしているのは、個人的にこういう話はうんざりということだ。本気で言ってるんだとしたら、もうどうかしている。こういうのを見るたびにもう自分は「それよりお前らおっぱいでも見て落ち着けよ」って思う。

 

こんな話をしたいのではない。本当にしたかったのは香川照之の話である。

 

北海道では今「新しい王様season2」と「集団左遷!!」が放送されています。どちらも香川照之が出ている。

 

「新しい王様」はseason2に入りテレビ局買収がメインの話。若き成功者秋葉(藤原竜也)とともにテレビ局買収を目論むファンド代表越中(えっちゅう)を演じるのが香川。「半沢直樹」の大和田常務をさらに下品にしたような「下品で大袈裟な演技のど真ん中」を演じている。いまやあれだけ大袈裟な顔芸や下品な演技でギリギリ成立するのは香川照之しかいない。

 

一方で「集団左遷!!」のほうでは、支店長片岡(福山雅治)を支える副支店長真山を演じている。こちらは「当たり前」なのだけども、普通の人の演技。大袈裟に喋ったり顔芸があったりするわけではない。あくまで普通に演じている。

 

おかしなもので「集団左遷!!」の香川照之を見ていると「あれ、物足りない?んなわけない」と一回確認してしまうのだ。どう考えたって「半沢直樹」「新しい王様」そしてEテレ「昆虫すごいぜ!」の香川照之が「異常」なのであり、「集団左遷!!」の香川は「普通」なはずだ。なのに普通じゃない香川ばかり見ているせいで、普通なことに落ち着かない。

 

まあ見ているほうは「なんか落ち着かないけど、最終的には馴れる」ので問題ない。しかし実際に演じている香川のメンタルは大丈夫なのだろうか。もちろんそこはプロの役者。演技を引きずることも使い分けも造作もないことだろう。しかしあれだけ濃い、大げさなことをやっていたら、ふとした瞬間に「大袈裟」が出てしまうんじゃないか。「新しい王様」で女優Aが婚約した報道を見て踊りまくる香川を見て、自分は「集団左遷!!」でも踊ってくるのでは?とか思ってしまう。

 

香川照之は歌舞伎役者市川中車としての活動もある。歌舞伎の演技も大袈裟と言うと語弊があるが、ある意味「大きな演技」をしなければならない。かといって大和田常務のまま歌舞伎に出ることはないわけで、その切り替えはどうやっているのか、自分には到底考えが至らない。もちろんこの二つのドラマや歌舞伎の舞台を同時にやっているわけではないのだけども(同時にやることもあるだろうけど)、頭がおかしくならないのか疑問でならない。そんなことを考えている自分がなんとなくおかしくなりそうだ。

 

というわけで香川照之を見るたびに頭がおかしくなりそうな自分は、「とりあえずおっぱいでも見て落ち着くか」と思うわけです。更新が滞っているときは仕事が忙しいかおっぱいを見て落ち着いているかのどっちかです。