改悪に次ぐ改悪

テレ東の大食いはもうダメかもしれない。

 

前回中村有志の正統後継者であったはずの照英をあっさり降板させ、高橋みなみにMCをスイッチ。高橋にはこのタイミングで結婚を発表したこと以外何の落ち度もないが(別に結婚発表も落ち度じゃないけど)、「正統をぶったぎった」という意味では衝撃以外の何物でもなかった。横にファン0人説でお馴染み勝俣州和がいればいいってもんじゃない。たぶんこんなに騒いでいるのは自分だけだろうが。詳しくは過去の文章を参照。

nageyarism.hatenablog.com

そんな大食いも新元号一発目の放送。大食いが始まったのが平成元年であり、「平成の歴史は大食いの歴史」みたいなこと言ってたんだけど、その30年の歴史を全く感じさせないショボい作りに成り下がっていた今回の放送。2点悪態をついてみたい。

 

1点目は「決勝の方式が意味不明」である。YouTubeから探してきたのか知らないが、予選も経ずに出てきた謎の出場者と予選通過者が入り混じった8名から本戦スタート。1回戦から決勝種目ラーメン登場はまだいい。「新しいことやりたい」感は仕方ない。ただまあこの後決勝でもラーメン出てきて「えー」と思うんだけど。

 

んで最終的に勝ち上がった1名(ツインズ小野姉妹の妹)が、「平成四天王」と銘打たれた(誰が打ったのか知らんけど)4名(魔女菅原、ロシアン佐藤、アンジェラ佐藤、もえあず。全然気づかなかったけど佐藤二人いるんだな)のうち一人を指名してタイマンで決勝を戦う。勝ったほうが女王らしい。は?

 

対戦相手指名してタイマン勝負とか「料理の鉄人」かよ。しかも勝ったほうが女王。残された3人は戦うことすらできないのか。後述するけども番組途中に謎の大食いチャレンジコーナーが挟み込まれていて、そこにアンジェラともえあずは登場していたからまだしも、指名もコーナーにも登場しなかったロシアン佐藤ただの置物かよ。座っていただけでちゃんとギャラは発生しているのか気になるところだ。とにかくこの制度、何が楽しいのかさっぱり分からない。

 

タイマンにしたほうが盛り上がると思ったのだろうか。まあ普段通り決勝で3人いても結果タイマン勝負になったりするから、それでも構わないと思ったのかもしれない。しかしなんだろう、この気持ちの盛り上がらなさは。自分だけか。しかも菅原さん返り討ちにしちゃうんだよな。それで「女王」と言われても。いやいや、一人退けただけじゃない。それで女王なのか。いいんだけど。いや、良くないな。つまんねええええ。予選からずっと戦ってきてからこその「女王」じゃないのかい。それでいいなら予選とかいらんじゃん。いらないね。一発勝負で100人くらい全員横並びでやればいいんだよ。

 

そして2点目は「本編の途中に本編とは関係ない大食いコーナーが挟み込まれる」こと。いや企画として大食いチャレンジはやっていいよ。けど、やるなら別枠でやってくれないか。大食い特番の醍醐味は勝負にあるわけで、勝負に何の関係もないチャレンジ企画を間に挟み込まれてもこちらの見る気をコンスタントに削っていくだけだ。第一その大食いチャレンジ、あなたたちが生んだスターことギャル曽根が今日テレの「有吉ゼミ」で毎週やってるんだよ。元祖なのに追随している感があって、げんなりする。

 

少なくとも今まで「元祖大食い」を名乗っていたテレ東に自分が望むことは「真っ当に予選から始まって、闘いの過程をしっかり見せてくれること」である。もちろん「より良いものを」という番組に変化を求めることは大事だ。しかし一方で「これが見たくて見ている」という自分のようなファンがいて、その期待を裏切るような基本は崩さないでほしい。例えば水戸黄門。いくら武田鉄矢が出ていても、水戸黄門水戸黄門なのである。新しい黄門だって印籠全く出さずに鉄矢の説教だけで終わってないでしょ?今回の改悪(改変ではなく改悪と言い切ってしまう)はそういうことをやっているんじゃないのか。

 

照英を降板させ、クラシックスタイルを踏襲せず、余計なコーナーは挟むようになり、平成に築いてきたものを壊すだけ壊して、そこに何が残るのか。少なくとも自分はもう一回同じような感じだったら、もう見限ってしまうかなあ。ただ「大食い」はスターが出現することによって息を吹き返す番組でもあるので、番組存続はある種ギャンブルのようなところもある。少なくとも小野姉妹にそこまでのスター性は感じられず、このままでは番組構成的にもキツい。平成とともに大食いの歴史は終了した。そんなことにならないようにしてほしいが、どうだろう。