澤部に言わせたい
「林先生が驚く初耳学」がちょっとずつ「ガチンコ!」化している話。
「林先生」とは予備校講師の林修。林先生にいろんな質問が出題され、博識の林先生が知らない事があれば「初耳学」として認定される、という内容。まあ見せ方を変えた雑学番組で、「1年くらい続くんだろうか」と思っていたらもう次の4月で丸4年。案外長く続いている。
常に知識をアップデートしなければいけない林先生も大変だが、その林先生が知らなさそうなこと(林先生が知らない全く脈絡もないものは当然ダメ)を探してくるスタッフのほうも大変だ。これはもう完全に林先生の知識とスタッフのネタ探しの根競べでしかない。
だから番組内容が少しづつアレンジされていく。日テレの番組はこのアレンジ手法が珍しくない。代表的なものでいえば「行列のできる法律相談所」。いまや法律相談はオマケみたいなもんで、「ひな壇バラエティ」のお手本みたいな番組になっている。だから「初耳学」がちょっとづつ「林先生の知らなさそうなことを出題する番組」からアレンジされるのは仕方ない。
しかしアレンジされていく内容がまさか「ガチンコ!」だとは思わなかった。「ガチンコ!」と言えば、かつてTBSが放送していたTOKIOが司会のバラエティ番組。有名な企画に、元世界チャンピオン竹原慎二がボクシングを指導する「ガチンコファイトクラブ」などがある。「いったいどうなってしまうのか!」という煽りからケンカになるVTRはお約束の極み。「ガチンコ!」(相撲業界で言うところの真剣勝負)というタイトルなのに「ヤラセ」と表裏一体となっていた。バラエティがヤラセか否かを論じるまでもなく楽しめた最後の番組ではないだろうか。今となっては貴重な番組だった。
昨年秋から始まった「アンミカのパリコレ学」がそれにあたる。初耳学に擬えて「パリコレ学」なのだけども、「ガチンコ!」風に言えば「アンミカパリコレ道」である。厳しい指導者が目的達成のために厳しい指導をする。それは「ガチンコ!」そのものである。ていうか自分は「ガチンコ!」だとしか思っていない。ヤラセかどうか、という意味ではなく。アンミカがパリコレモデルであることは知っている。しかしなぜアンミカはあんなにエラそうなのだろうか、という視聴者に分かりやすい疑問を抱かせる。そこらへんの「視聴者に分かりやすいツッコミしろを与えている」感じも「ガチンコ!」の匂いがする。
さらには元TBSアナの吉川美代子による「女子アナ学」(ガチンコ女子アナ道)も始まった。完全に「パリコレ学」で手応えつかんじゃった感がありありで、舵の切り方が潔い。個人的には最終的に「林先生のガチンコ予備校講師道」を始めてほしい。勉強も全然できない荒くれ者たちが林先生の熱血指導により大学合格はおろか予備校講師にまで上り詰める。かつてのガチンコのスター大和龍門の名セリフ「お前らホームラン級のバカだな」を超えるセリフを放ってほしい。
そして全部の企画が終わったあと、ハライチ澤部がこう言って全てが終わる。
「初耳学とか関係なくなっちゃった!」
ここまででワンセットで考えてるなら初耳学に認定です。何を。