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今更何言ってるのという更新ですが、よろしければお付き合いを。

 

ドラマ「獣になれない私たち」を1週間くらいかけて全部見ました。放送は昨年の10~12月です。全部録画していたのですが、なかなかリアルタイムで見ることが出来ず、早いところ見なければと思って今月の課題ドラマに指定していました。ちゃんと全部見ることが出来てよかったです。そして感想を語りますが、個人的には結構面白かったです。少なくとも同時期に放送された「下町ロケット」よりは面白かった。

 

ドラマが終わってしばらく経っているので、世間的にはどんな感想を持たれていたのかと思って検索してみると、なんだか不評のようで。まあ自分の読んだものが不評だっただけかもしれません。そもそも他人がどう思っているかなんて自分の尺度には全く関係がないです。世間的には面白いとされているドラマだって個人的にはどうでもいいものもあるし、またその逆もしかりです。周りが面白いと思うドラマしか面白くないなんてのは自分の評価をハナから放棄しているに過ぎないような気すらします。まあいいや。

 

自分は最初からこのドラマを「生き方ドラマ」だと思って見ていました。主人公の深海晶(新垣結衣)はワンマン社長の振る舞いに悩まされ、公認会計士の根元恒星(松田龍平)は本意ではない不正に手を染めていることに悩んでいる。この2人(周辺含めて5人)には恋愛の事情は発生するわけですが、それは人間関係の延長線としてのことであり、はじめからそこに主題があるわけではない。あくまで人生というテーマの延長線としての恋愛があるだけ。恋愛が人生の軸足としか思えない人にはどうにもこうにもつまらん話に見えたんじゃないか。

 

人間はそんなに簡単に自分の生きる向きを変えることができない。そしてそれを変えようとするには、色々な事情が色々な要素と絡み合う。それでもなんとか力を振り絞って変えてみようとしても、変わらない、変われないこともあるし、変わったとしてもほんの少しだったりする。そんなことを時間をかけて丁寧に描いたのがこの作品だったんじゃないかと思う。まあ、分かりにくいと言えばそれまでだ。しかし分かりやすいことが正義なのかといえば、自分は最近そう思わなくなった。分かりにくいことを真正面から描いてくれることに、考えさせられ、そしてハッとしたり、グッときたりする。トシちゃんではないが、そういう感情を呼び起こさせてくれるドラマには価値があるんじゃないのか。自分はこのドラマを見て、色々な感情が頭の中を渦巻き、そして色々考えた。それは楽しいことであり、見て「面白い」ドラマだと思えた。

 

ドラマの感想は人それぞれ。面白いとか面白くないはあくまで主観の問題だ。けどこのドラマを見て「話が進まなくて面白くない」とか言っちゃう人とはやっぱり価値観が合わないなあ、とは思ってしまう。見ているドラマは同じでも、見ているものが違うってことになっちゃうわけで。