モーニングヘル

朝から「スッキリ」で一青窈ちゃんが荒ぶっていたんです。

 

今年の4月で平成も終わり。それゆえ平成の総括があらゆるところで行われている。そのうちの一つとして「平成で最も歌われたカラオケ」なるランキングが発表され、その1位が一青窈ちゃんの「ハナミズキ」なのだ。思わぬところで平成特需の窈ちゃんである。

 

そんなもんだから先日は「Mステ」に登場しては「ハナミズキ」を披露。そして今日は「スッキリ」で同曲を披露していた。平成で最も歌われたカラオケだから仕方ない。

 

ここの文章を長年読んでいる方はご存じかと思うが、自分にとっての一青窈ちゃんは「期待を裏切らない歌手」である。どちらかといえば美人の部類に入るんだけど、その美人さを全く感じさせない振る舞い、ありていにいえば「年齢不相応の衣装でもって面白パフォーマンスを繰り広げる歌うま芸人」である。見る度に笑わせてくれる。

 

こんなことを書くと思いっきりバカにしていると思われがちだが、それは違う。他人では出来ないことを窈ちゃんは軽々とこなし、飛び越え、そしてこちらの期待以上のものを見せてくれる。それは一言で表せば「スター」以外の何者でもない。自分がそうなりたいとは全く思わないが、凄い。それが一青窈

 

なもんで朝から登場した窈ちゃんはおおよそ妊婦とは思えない花柄のワンピースで登場。もちろんお腹を締め付けるような衣装は着ることは出来ないのでワンピースは必然なのだけど、そんなに派手でなくてもいいじゃん。もう40代半ばじゃん。と、常識に縛られた自分のような人間は思う。けど窈ちゃんはそんな常識通用しない。朝から派手な花柄着るんだよ。凄い。

 

そしてお馴染み「ハナミズキ」熱唱。加藤浩次は歌ったあとに「CDと何にも変わらない」なんて褒めていたが、それは違う。もう譜割りが自由すぎ。歌手生活50年の大ベテランの歌唱。そりゃカラオケの採点で60点台になるわ、くらいに自由。ただまあここらへんはいつも通りなのでそんなに驚かない。

 

しかしファンタジスタ窈ちゃんがこちらの想像を超えてくるのはここから。サビに差し掛かるとMC席ににじりより、ハリセンボン近藤の傍へ。そしてサビの最後「君と好きな人が百年続きますように」の部分で近藤へマイクを差し出し、最後の「にー」だけ歌わせるという所業。近藤は前世でよっぽどの悪事でも働いたのだろうか。「残酷な天使のテーゼ」(平成カラオケ第3位)も真っ青な残酷っぷりである。

 

自分はこれを見て朝飯を吹き出しそうになった。傍若無人な振る舞いで近藤春菜を処刑した窈ちゃんを責めたくなった。しかし自分の目の前にはもっと苦しそうな人間がいた、そう、加藤浩次である。

 

加藤は窈ちゃんがにじり寄ってくるあたりから何かただならぬ雰囲気を察したのだろう。これから何か面白いことが起こる。芸人の嗅覚は鋭かった。目の前で近藤を惨殺しようとする窈ちゃんを見て、加藤浩次の顔は明らかにひきつっていた。その目はこう訴えていた。

 

「笑いたい」

 

しかし、仮にも真剣に歌ってサービス全開の窈ちゃんの前で大笑いするわけにはいかない。そこらへんは朝番組のMCを長年務めている加藤。分別はつく。その結果「笑いたくて顔が引きつる加藤浩次」の顔が窈ちゃんの隣に映し出されることになった。あんなものもう大笑いしていると同義である。笑ってないのに完全に笑っていた加藤にも、地獄の振る舞いを強要された近藤にも、誰しもが朝から地獄。モーニングヘルだ。

 

ただ言っておきたいのは窈ちゃんが悪いわけではないのだ。「ハナミズキ」は名曲であり、そんな名曲を作れてしまった窈ちゃんの才能、そして窈ちゃんの振る舞いが否定されるわけがない。悪いのは誰か。そんなものは決まっている。そもそも今回窈ちゃんが「スッキリ」で歌うこととなった理由は「平成で最も歌われたカラオケ曲1位」だったからだ。ということは平成の間ちょっと過剰に歌いすぎてしまった日本人全員が悪いのだ。

 

なので一度でもカラオケで「ハナミズキ」を歌ったことがある人は、歌った回数だけハリセンボン近藤に「ごめんなさい」と謝らなければならない。

 

最後にもう一度確認しておくが、窈ちゃんはスターである。