大森貝塚

テレ東ドラマBiz枠「よつば銀行 原島浩美がモノ申す!〜この女に賭けろ〜」を見たのですが、いったいどうしてあんまりパっとしなかった。

 

原作は20年ほど前にモーニングで連載されていた漫画。いまや時代が古い漫画の原作のドラマも珍しくはないので、そこが悪いとは思わない。でもドラマ全体を眺めたときに、なんだか古臭いというか、ちょっと前のドラマを見ているような感じがした。

 

なんだかタイトルで損している。このタイトルから想起されるのは、日テレで放送された杏主演のシリーズ「花咲舞が黙ってない!」だろう。女性行員が不正を見逃さずにズバっとみのもんたや梅沢富美夫ばりにぶちかます。タイトルからはそんな内容なんだろうなあとやっぱり思うわけじゃないっすか。舞台も銀行だし。

 

しかしドラマの中の原島真木よう子)はあまり物申していない。初回で物申したのは同僚に対して福澤諭吉の言葉を引用しつつ「情報は共有する」ということだけだった。まあそのくらいのことは言うよなあ、今の時代なら。原作を読んでいないので大きなことは言えないが、もしこのレベルの話が原作から引用されているのであれば、それはやっぱり「時代が変わった」というしかない。逆に原作をきっちり改変してこの程度なのだとすれば、それはどうなんだろう。

 

いやそれとも「物申す」としていたのは、新規取引先に対して美術財団設立を進めたことであろうか。それは普通に「進言」のような気もするんだけど、そこらへんひっくるめて自分には「どこらへんがモノ申していたのかよくわからん」と映った。タイトルがこのドラマの全貌をぼかしているような気がしないでもない。

 

どうせ割とベタなストーリーなんだから、ガチガチにベタなドラマとして振り切ってしまえばいいのに。経済ドラマだから、テレ東だから、ではなく、ベタでいいじゃない。2つ前のドラマBiz「ラストチャンス~再生請負人~」は結構ベタだった。あのくらい分かりやすくベタでいいと思うんだけどなあ。このままのペースなら、途中で脱落するかもしれんかな、くらいの感想です。