テレビを楽しく見るために

気付いたら1か月更新してなかった。いやする気だけはあるんだけど、いかんせん気持ちだけではどうにもならないのが30代の悲しいところ。体力が追いつかないのはもちろんのこと、現実問題として物理的時間が割けないという現状。そりゃ仕事行くまではテレビ見続けて、仕事帰ってきてからもテレビ見続けても一向に減ることのないHDDの残り時間と格闘していたら仕方ないのですよ。


それにも増して今年はどうも更新するような「何かほとばしる感情」に乏しかったのもまた事実ではあるんです。年のアタマからベッキー不倫やらSMAP解散騒動(のちに本当に解散発表)やら、芸能的には大事件も多かったわけですが、なにせ「世間の意見がなんか腑に落ちない」状況をずーーっと引きずっていて、自分の考えもよくまとまらないまま次の話題が勃発するという感じ。爆笑問題の漫才ではないが「ちょっとこっちのことも考えてくれ」とは未だに思う。


そんな言い訳をしつつ久々にちょっと書いてみる。日テレの「1周回って知らない話」が最近ちょっと気になる。


世間では「当たり前のようになっていること」だが、なぜそれが今当たり前になっているのかを改めて確認する番組。自分はこの番組を「若者に対するテレビの現状プレゼン番組」だと思っている。


例えば爆笑問題が登場し、「爆笑問題太田光は、なぜ番組で空気が読めないのか」という話をしていた。20年くらい爆笑問題を見ており、いまだにしっかりラジオを聴いている自分からすれば「本当に空気を読まずポロっと暴言を吐くのは田中裕二であり、ちゃんと空気が読める太田は空気を読まないようにしてその場の空気を壊しに行っている」ことくらいは当然知っているのだが、世間の殆どの人間、とりわけ若者はそのことを知らないらしい。


これを「そんなことも知らないのか若者は」というのは簡単であり、また愚かである。世代によって知らないことがあるのは当たり前であり、自分が若かった頃そのような事を言うオトナを軽蔑したように、そんなこと言ってしまうと逆に馬鹿にされるのだろう。だからこそ「知らせる努力は大事だなあ」と思うわけだ。そりゃ知らんよなあ、と。


物事を面白がるには「ある程度の知識」って絶対に必要じゃないっすか。


自分はテレビを見ることを面白がる人間なので、テレビ番組に、テレビに出ている人たちに対する「視聴者なりの知識」が少なからずあるとは思っている。もちろん専門的な知識ではないが、テレビを見ることを楽しむには充分である。


昔はすぐ身近にある娯楽といえばテレビだったから、そこらへんの「テレビで行われていること」に対する共通認識が本当に高かったような気がします。それは娯楽や情報が多様な今から考えれば異常なことではあると思うのだけど、その異常さが話題を生み、ブームを生み、楽しみかたを生んでいたのではないだろうか。


そう考えれば今の若い世代がもっとも共有しやすいツールはネットでありSNSであり、テレビではないわけですよ。これは仕方がないこと。だからこそテレビを面白がってもらうには、これもう「今のテレビを楽しむのに必要な知識を教育によって与える」しかないんですよね。そのために必要なのは「1周回って知らない話」のような番組なのではないか、とうっすら思ったわけです。


日テレがそんな大それたことを思っているかどうかは分からない。世代間ギャップを題材にした番組は新しい発想でもなく(「クイズ!年の差なんて」とかを思い出す)、単に今風にアレンジするとこうなるってだけかもしれない。けど今こういう番組が後々の「テレビ視聴巧者」を増やすのかもしれない。増えてほしいなあ、と思う。