もしかしてだけど

復帰した若槻千夏が焦ってるんじゃないだろうか。


たぶん本人に聞いたら「そりゃ焦ってますよ!久々の復帰でライバルも多いんですから!」とか言うと思うんだけど、そういう意味での焦りではなくて「本人が思っている以上に手応えが出てない」ことに焦ってるような気がするんです。


若槻千夏の全盛期の「バラエティ能力の高さ」は、視聴者はもちろんのこと何よりテレビ関係者が皆思っていたのではないだろうか。バカキャラから頭角を現したもののただのバカにとどまらず、欲しいところに欲しい発言を的確に放ってくる頭の良さが際立っていた。分析力も鋭く、今のバラエティにおける各タレントの立ち位置を的確に見抜いている。


だからこそテレビに復帰した若槻はブランクがあるにも関わらず、コンスタントに番組に呼ばれる。もちろんご祝儀的な意味合いもあるだろうが、実力のない人間が復帰したからといってそんなに簡単にバラエティに呼ばれることがないことを考えれば、若槻の当時の実力が本物だったことを示している。


しかし自分が今テレビで若槻を見ていると、「あれ?こんなもんだったか?」と思うことが多いのだ。なぜだろうか。ひとつの説明としては「当時と今では女性タレントのバラエティのスキルが全然比べ物にならないほど向上しており、若槻のレベルまで底上げがされてしまったことで差別化されなくなった」ということが言えるのかもしれない。ただ自分で書いておいてあれだが、残念ながら全くと言っていいほどこの説明はピンとこない。他に原因があるような気がする。


ズバリ言うほどの結論でもないが、書いてしまうと「若槻のバラエティ感が多少鈍った」のではないだろうか。完全に鈍ったというつもりはない。しかし、今バラエティが若槻に求めているものと、若槻が提供するものが微妙にズレているんじゃないかと思う。


そう思ったのが「ヨロシクご検討ください」の特番で「タメ口をやめないか」という提案をしてきたとき。「ああー、そういう事言うようになってしまったのかー」と思ったのですよ。いや自分だけかもしれないけど、若槻千夏ともあろう人がそんな「ありきたりな小言」みたいな提案するのかと自分は結構ショックが大きかったのです。梅沢富美男じゃないんだぜ。別に「ご意見番ぶるな」というわけじゃないんだけど、「まだ若いのにそんな凡庸なジジイみたいな話するんだ」と思ってしまったんだなあ。


これは自分が若槻に対してハードルが思いっきり上がっているという事情もあるのだろうけども、期待値を低くするんだったら若槻じゃなくていいじゃないか、と思う自分もいる。何より本人に手応えはあるんだろうか。見ているこっちにないのだから、本人はないと思うんだけど。


テレビ側も若槻の実力を知っているから今の段階では起用するんだろうけど、今の状態の若槻が続くのであれば出番はちょっとずつ減っていくんじゃないだろうか。まだ32なんだ。小言の前にもっとなんか面白いやつがあるんじゃないのだろうか、とオジサンは期待している。