誰にあてたメッセージ

いやあ、生放送の「スマスマ」がテレビ史上に残るお通夜感でした。ギャグで「木梨憲武死去」をやった「おかげです」以来のお通夜感。どっちもフジなのが笑えないけど笑える。


こういう場面で普段仕切ることが殆どない木村拓哉が真ん中でしゃべり始めたことが、今回の結末を全て物語っている。キムタクが事務所と残り4人の橋渡し役となり、手打ちを決めたのだろう。草なぎの発言からもそれが読み取れた。報道されていたことがほぼ正しかったことになる。自分は報道にかなりの憶測が含まれていたと思っていたので、逆に流れていた情報が正しかったことに若干の驚きがあった。


番組としては視聴者から寄せられたメッセージを読んでみたり、やたらと「世界に一つだけの花」を流してみたり、きわめて明るく振る舞おうとしていたけど、そんな小手先の細工では全然通用しないほどの重苦しい空気。木村以外の4人が深々と頭を下げて謝罪したのだけど、その謝罪はテレビの前の誰に向けられていたのか。いやあ、書くまでもない。テレビの前の「偉い人」だわな。公開処刑。そんな言葉しか思い浮かばなかった。特に中居は世界の終わりのような顔をしていた。今一番ドラゲナイしているのは中居だ。


そりゃもちろん独立を4人が画策していたのだから、会社側が怒るのは当たり前。しかしその裏側にあるのは事務所の権力争いという本来ならば極めてどうでもいい話なわけで、SMAPは「巻き込まれた」と言ったほうが正しいわけだ。それを4人(と飯島マネージャー)が悪者となってテレビの前で深々と頭を下げさせるのは、なかなかに腹黒いやり方だったなあと思う。裏方の諍いを表舞台の人間に押し付けたんだから。


これで一応「グループとしてのSMAP」は存続するんだろう。けどもドラゲナイ状態の中居の顔を見ながら「よかったよかった」と心から思う人はどのくらいいるんだろうか。そしてこの文のタイトルがTOKIOの曲「メッセージ」から引用していたことに気づいた人はどれだけいるんだろうか。