イリュージョン

ドラマ「赤めだか」は色々頭がゆわんゆわんしました。


立川談春の自伝的エッセイを原作にしたドラマ。師匠立川談志談春の関係を軸に成長を描く。原作も評判が高いだけに、ドラマもしっかり面白かったです。ですけど。


談志をたけしが演じる、つうのは全然いいと思います。談春二宮和也も「かっこよすぎるだろ」と談春本人を思い出すたびに思う(特に最後の独演会のポスターで鼻水吹いてしまった。カッコよすぎる!)けども、それはそれでいい。わざとやってるんだろうけども、メタ構造が過ぎると思う。


例えば談春の兄弟子に当たる談かん(現ダンカン)が談志のもとを離れたけしのところに弟子入りを志願するシーン。談志を演じているのがたけしなわけで、たけしが「たけしの元にか?」と聞いたりする。そりゃそうなるんだろうけど、スタッフがニヤニヤしながらやってるのが目に浮かんでしまう。しかもその後のシーンで宅配便の男として本物のダンカンが登場したりするし。父・中村勘九郎(当時・のちの十八代勘三郎)を演じる息子中村勘九郎(六代目)だったり、圓楽(五代)を演じる圓楽(六代・旧楽太郎)だったり、非常に贅沢なことをやってるんだろうけど、頭がゆわんゆわんしますよ。


談志は生前よく「イリュージョン」という言葉を使っていた。これもある意味イリュージョンか。いや談志の言っている意味では全然ないけども。面白かったけども多少の「やりすぎ」感は否めない。それは最近の評価されているドラマ全般に言えることでもある。