容赦しない

誤解を怖れずに言えば、自分は森口氏のような人が嫌いではないです。あくまでネタとして、ですが。


いやね、多かれ少なかれ人間はウソちゅうもんをつくわけです。それは時と場合とタイミングによっては大事故を起こすわけですが、完全に森口氏のウソちゅうのは大事故を起こしてますね。しかも山中教授がノーベル賞を取ったタイミングで出てきたもんだから、そりゃあ騒ぎが大きくなりますわね。ただまあタイミングがノーベル賞と前後していたからこれだけ問題になったような気もするんだが、この人は恒常的にウソをついていたと思われるので、あんまり味方がいないんでしょう。味方したくても手の施しようがないもんなあ。末期がん患者の内臓みたいなもんか。


もちろん各方面に迷惑はかけてます。だから悪いのは悪いんです。ただのウソなら可愛いもんですが、世界レベルの発見でのウソってのと、再生医療に期待している人たちをしょんぼりさせた「罪」は大きいのかもしれません。けど、このウソで誰かが決定的に不幸になったわけではない、という意味で自分は「そこまで責めなくてもいいじゃないか」と少しは思うのですよ。同情の余地はないんですけど。


普段自分はこの手の騒動があったときに、あんまり渦中の人物に対してこのような感想を抱くことはないのです。「身から出たさびじゃねえか。アホか」と思います。けど、なんか森口氏、風貌が「可哀想なオッサン」なので、あんまり責めてやるなよと思ってしまう。この手のウソつきは大概顔からしてふてぶてしいもんだが、森口氏は完全に「やっちゃいました」オーラを出していて、もう詰んでいるのになかなか参りましたを言わない状態。ふてぶてしさがない。いや、正確にいえば最初はちょっとだけあったんだけど、先日の記者会見ではもう既にお手上げ状態だった。素直にウソを認めたら身内の人間が不幸になるとでも脅されているんじゃないかと思うくらいに無理してる。だからもう勘弁してやれ。


しかし最近のマスコミは「完全にクロ」と分かった相手に対しては責め方がえげつないわな。何言ってもやっても怒られないと思っている。絶対に負けないゲームで相手をボコボコにすることで何を正義ぶっているのか自分にはちょっとよく分からない。ウソに対する人道的な怒りだけであんな記者会見の責め方にはならんだろうよ。もちろん「ウソだった」ということを伝える必要はあるし、森口氏の歯切れの悪い物言いにイライラしていることもあるんだろうが、「正義振りかざしている感」がちょっと自分には鼻につきましたよ。自分だけじゃないと思うけど。


あと、こういう話題のときに必ず「マスゴミ」という言葉を使う人が沢山いるんですけど、自分はそういう人が嫌いです。なんかね、そういう物言いをされる側のマスコミと、そういう物言いをしている側の人間のゴミっぷりが同等のような気がして。結局はどっちも「自分の正義」を「自分のものさし」で振りかざしているだけなんだもの。思考と物言いが短絡的すぎる。


要するに自分が言いたいことは「他人のクズ見てわがクズ直さなくてもいいからちょっと恥じて隠せ」ですよね。バレるウソはつかないのが吉。