5ヶ年計画

「クイズオタク高校生どや顔選手権」こと「高校生クイズ」を見る。


かつて我々が愛した高校生クイズが息の根を止められてからはや4年。本来は必ずしもそうではないのに、「クイズができる」=「頭がいい」と意図的に混同させることで、なまじ頭のいいクイズオタクどもの「生きている上でほぼ全く役に立たない知識の集積をどや顔で披露する大会」に成り下がってしまった。誤解しないでいただきたいが、クイズオタクってのは元来そういう生き物であり、そういう大会があっても全然いいのだけども、それを「高校生クイズ」でやるなよ、と言うだけの話である。高校生クイズはそういうものではなかったのだ。昔から進学校にはクイズ研究会は存在した。けども純粋なクイズの知識だけでは優勝できないからこそ「高校生クイズ優勝」は尊かったのである。そしてそうだからこそ高校生クイズは3人1組でどの高校生にも参加の間口が拡げられていた優良なコンテンツだったわけだ。いまやあの放送を見て「私も参加しよう」と思う女子高生はいるのだろうか。殆どいない。


なもんで、個人的には「高校生クイズ」という番組は終了し、「クイズオタク高校生どや顔選手権」という新番組をお笑い感覚で見ている。出場者の圧倒的なむさ苦しさ、異様に高いメガネ率、漂う童貞臭、それを誤魔化そうとして投入された榮倉奈々のいたたまれない感じとバリエーションの少ないコメント、そしてそれらをすべて飲み込む「もじゃもじゃ」こと茂木健一郎の口から出まかせすぎるコメント。「高校生クイズ」としては見る影もないが、「どや顔選手権」としたら、これはなかなか優良なコンテンツですよ。「出ました!もじゃもじゃのクオリア漫談!」とか言って見れるし。そういやクオリア言ってなかったなあ。B&Bの「もみじまんじゅう」みたいなもんなのに。漫談に手を抜くなよもじゃもじゃ。


でもこれふと思ったのだけど、来年予選までは同じ雰囲気で出場者を集めて、全国大会になったら急に「体位48手、知ってるだけすべて書きなさい」とかになったら超笑えるんだが。どや顔で「松葉くずし!」と答える高校生ならば見てみたい。もしかして日テレはこの番組を成立させるために5年かけて前フリをやってるんじゃないだろうか。そう考えると来年の「どや顔選手権」が物凄く楽しみに思えてくる。


たとえばこんな感じ。

問題
「『大人になんかならないで』でデビューしたのは七海なな、では…」

早押しボタンが押される。両チームのタイム差はわずか0.06秒。

高校生たち、目線を合わせ3人合わせて大声で「原紗央莉!」

響き渡る正解のSE。その音を聞いた瞬間崩れ落ちる相手チームのキャプテン。

司会の升アナ、高校生に向かって「非常に早かったですね。どんな問題を推測したのか教えてもらえますか?」

高校生「かつて「七海まい」の芸名でデビューした本名加藤まいのAV女優は誰?です!」と、どや顔で推測を披露。

矢口真里「すごーい!」

もじゃもじゃ「まだまだ日本も捨てたもんじゃないですね!これぞクオリアクオリア!」




別にアダルト限定じゃなくてもいいけど、クイズオタク高校生が真剣にバカげた問題を取り組んでいるんなら、それはそれで絶対に面白いと思うんだが。変に「頭がいい」を乗っけて持ち上げるからおかしなことになるんであって、「基本クイズは無駄知識の集積」という位置に戻って半分バカにしてみることが大事なんじゃないかと。