老人は何処へ

「ズームイン」にて100歳以上の高齢者の所在が掴めなくなっている問題で、「家族の繋がりが希薄に」なんてことを言っている。ある一面では間違いじゃないんだろうけども、どうも間違っている気がしてならない。


だってどう考えたって昔より今のほうが「繋がり」という意味では強固になっている。通信手段の普及、便利さでは昔とは比べ物にならないだろう。「心情的な繋がり」という意味では希薄になっているんだろうが、今回問題になっているのはあくまで「存在の確認」なのだから、それこそ通信手段の問題であって、心情的な繋がりという意味ではない。


今所在不明の老人が問題になっているからこそ「昔はそうじゃなかった」的な論調になるんだろうが、どう考えたってひとつ屋根の下で暮らしていない家族における「繋がり」は今より昔のほうが希薄だろう。「昔はよかった」的なノスタルジーに浸るのは構わないけども、あまり頭のいい態度ではないような気がする。問題なのは役所の怠慢と個人情報保護の行き過ぎであろう。今後ますます加速する高齢社会に向けて、大金を投じてもいっぺん調査すべきだろう。それがゆくゆく税金の徴収(=遺産の相続税)に繋がるような気もするし。