期待されドランカー

ヤワラさんこと谷亮子民主党公認で参院選に出馬するそうで。


ルーピー鳩山率いる民主党が沖縄の一件でかなりやらかしていることから、夏の参院選はけっこう面白い戦いになりそうだ。民主が過半数を維持するのか、自民党がアヘッドするのか(児玉清風)、はたまた第三党が躍進するのか。


しかし個人的に参院選といえば、どんなすっとこどっこいな芸能人・有名人が出馬するのかに尽きる。参院選比例代表制であるから、有名であればあるほど集票力がある芸能人が無闇に祭り上げられる。その度「愚かだな……」と思いつつも、さらに愚かな国民が投票してしまうために後を断たない。批判されるべきは出馬する芸能人でも出馬させる政党でもなく、無闇に投票してしまう国民であるとそろそろ投票する側が自覚しなきゃいかん。政治を悪くしているのは国民だ。


今回は既に自民党が元巨人の堀内恒夫を公認したり、たちあがれ日本(という政党名は本当にしょうもない)が元巨人の中畑清に出馬を打診しているだとか、なぜか巨人で盛り上がっていたわけだが、今日になって民主党がヤワラさんを公認候補で出馬させると発表したんだから鼻水が出た。


政権与党である民主党はヤワラさんを担ぎ出す前にやることがたくさんあるんじゃねえのか、という突っ込みすらもはやどうでもよろしい。ただひとつ重要なのは「名言大好きヤワラさんが遂に出馬とか言い出した」ことである。


かつてオリンピック選手、なかでもメダリストから転身した議員といえば橋本聖子が真っ先に思い浮かぶ。あるいは荻原健司だろうか。どちらも参院選に出馬し、議員になっている。特に橋本聖子は当選回数3回を数えるいっぱしの議員さんである。正直な話、オリンピック選手が議員に転身することについて、自分は別に悪いことだとは思ってない。議員になってスポーツ振興を進めるというのも目的としてはアリだし、何より向いている可能性「は」ある。ないほうが大きいだろうが。


だからヤワラさんが議員になりたいというのであれば、それはそれで別に構いはしないのだけども、しないのだけどもね、というところである。やっぱり全てにおいてかなり香ばしい。


まずヤワラさんが香ばしいところは「ロンドンも目指す」と言ってるのである。2012年のロンドン五輪の柔道代表を狙いつつも議員活動もやるという。ちょっと待て。いや確かにヤワラさんは子育てと柔道を両立して北京で銅メダルを取ったかもしれない。けどもそれと同じ考えで議員やろうというのはどうなんだろう。子育てが大変じゃないとは言わないけども、周りの理解と大きな手助けがあってこそ子育ては成立してるんじゃないのか。それを議員になってもやるというのだろうか。ちと甘い気がする。


そして何より「ヤワラさんが議員になってどうすんの」という点だ。前述のようにスポーツ振興の観点はあるんだが、ヤワラさんほどの人物になれば、それは議員になるよりも柔道界を牽引していく立場になるべきじゃないのか。少なくとも自分はヤワラさんに国政ではなく柔道界を引っ張ってもらいたいんだが。たぶん多くの国民がそう思ってるんじゃないのか。


じゃあなぜヤワラさんが出馬に打って出るのか、と考えれば、やはりヤワラさんは「国民はわたしが出馬することに期待している」というヤワラさん独特の勘違いから生まれたものなのではないか、と思ってしまう。


自分は過去にヤワラさんは「自分は名言を残すことを望まれていると勘違いしている」と書いた*1。今回もヤワラさん独特の「ワタシが国政に打ってでなければ誰が出るんだ。私が出馬することを国民は期待している」という思考回路になってしまったんだろう。小さい頃からずっと期待されてきたがゆえの悲劇。ヤワラさんはもはや誰も期待していないことを期待されていると勘違いしている「期待されドランカー」でしかない。


いままでなるべく柔らかにヤワラさんに「もういいよ!」を突きつけてきた国民であるが、いよいよ今回は「落選」という形でもってヤワラさんに「もういいよ!」を突きつけるときが来たようだ。ヤワラさんに柔道では期待するけど議員としては期待していない。日本国民は是が非でもヤワラさんに気付かせてあげるべきなのだ。堀内が当選しようが中畑が当選しようが構わない。ヤワラさんの当選だけは断固として阻止しなければ、ヤワラさんの「期待されドランカー」は一生完治しそうにない。もう楽になってくれヤワラさん。


そして俺たちもそろそろあなたの勘違いから解放してくんねえかな。

*1:「ヤワラさんは国民に突っ込まれることを期待して名言チキンレースを行っている」とヤワラさんの勘違いをおちょくった