失恋の気分

不毛地帯
あっさり迎えた最終回。「白い巨塔」のときは2時間SPとか組んだのに、今回は15分拡大すらしない単なる54分の最終回。そりゃ視聴率はあまり良くなかったとはいえ、随分冷たい扱いだなあとは思う。だって面白さで言えば「白い巨塔」同等あるいはそれ以上だったと思うから。


確かに不毛地帯は暗くて重い話であるし、巨塔以上にオッサンばかりしか出てこないドラマではあった。だからドラマ全体としての華やかさには欠けるし、分かりやすい盛り上がりというものがあるわけでもなかった。悪く言えば地味。けどその地味さがいいんじゃないかと自分は思ったわけで。


地味と自分で言ったものの、岸部一徳演じた里井の分かりやすいまでの嫉妬心(これは「巨塔」の東教授にも似た部分がある)、そして松重豊が演じた小出の不気味さ、遠藤憲一が演じた鮫島のキャラそのもの等、やたら濃い部分があったのも確か。


ただまあ「濃い」というより一番不気味だったのは年代を経ても全く顔が変わらない小雪。最終回の回想シーンで壱岐と大門が出会ったシーンが流れたが、二人とも見事に「若い」感じがした。ならびに番組の初めではセーラー服を着ていた壱岐の娘多部未華子の最終回での老けっぷりもなかなか。それに比べて小雪の「SK?」然とした佇まいは、このドラマを通しての最大に謎だった。


毎週毎週「不毛地帯」を見るのが楽しみでなんとか命を永らえていたようなものなのだが、最終回を迎えた今、どうやって生きていけばいいというのかちょっと分からない。かつて恋人に振られたときも同じようなことを呟いていたような気がするが、まさにそういう気分だ。この虚無感を埋める新しい相手(ドラマ)を探さねばならぬが、来期は「新参者」が本命かなあ。