夏の終わり

官僚たちの夏
最後までオッサン汁満載。最後にミスター通産省風越(佐藤浩市)が「天下りしない」と言って事務次官を退官したわけだが、だからといって物語に何も影響を与えていないのは「あれ?」と思った。まあ原作どおりなのかもしれないけども、かといってそれが「誇りある日本」だとか「弱者救済」だとか全く関係ないと思うんだが。最後のとってつけたような沖縄返還のエピソードも拍子抜けというか。


何より自分には国内産業保護派の風越一派よりも、玉木(船越英一郎)や片山(高橋克典)の国際通商派のほうが魅力的に思えた。今や世界のスタンダードである自由貿易という結論ありきの視点というわけではなく、単にキャラ造型として風越らの国内産業保護派のステレオタイプな視点を今のご時世でヒーロー扱いするのに無理があったような気がする。それならば立場は違えど最終的に「日本のために」という視点を貫いた玉木、片山のほうが幾分カッコイイ。特に片山のラストシーンは只野仁とは同一人物と思えないほどカッコイイ。いや只野がかっこ悪いというわけではないが。


奇しくも現実世界では政権交替が起こり、大臣に使われる(使う?)立場の官僚たちの意識も変わらざるを得ない状況になっている。良かれ悪かれ(悪かれでは困るけど)このドラマのよう志を持った官僚が日本にまだまだ存在することを願わずにはいられない。ま、なんかマジメなこと言ってますけどこれ書いている姿は下半身裸ですから。ドラマとしては55点。