そばにいてくれるだけでいい

・フレフレ少女
新垣結衣主演の映画。新垣が応援団の団長を演じている。


最初は寄せ集めだった応援団が団結することで形になりやがて大きな実を結ぶという、部活動を舞台にした青春モノの王道ストーリー。エンディングがそこそこ決まっているので映画を見た後の感想は「そんなに悪くなかった」とは思えるけども、冷静に考えたら映画館で見るようなもんではないことに気付いてしまう。その程度の映画。


贔屓の引き倒しになるが、自分にとってこのジャンルの映画では「スウィングガールズ」を超えるものはそうそう出現しないと思っているし、事実太刀打ちできる映画は今のところお目にかかっていない。だから採点が辛くなるのは仕方のないことだとは思っている。けどそれにしてもこの映画の粗筋は雑。いくらガッキーを愛でるだけの映画とはいえ、もう少しそれなりに物語を作り込むことはできたんじゃないかと。


同じく新垣主演の「恋するマドリ」を見たときもそう思ったが、この映画も「映画のために新垣を主演にする」というよりは、「新垣を愛でるために映画の主演にする」という感じ。ストーリーはどうあれ、彼女が「可愛い」という点で最大限に力が発揮できていれば何の問題もない感じは、ある意味潔いと思う。でも翻って考えれば、それはテレビで見るだけで充分だよなあ。


殆ど記憶に残らない「その他」の部分であるが、永山絢斗が兄貴の瑛太にやっぱり似ていて「これが瑛太だったら観客の動員は少しは違っていたのだろうか」と思う一方、鼓手長を演じていた柄本時生に対して「これが兄貴の柄本佑だったら観客の動員は………」とは一切思わなかった。そりゃそうか。


新垣ファンならば彼女の学ランの凛々しい姿に始まり、セーラー服、メガネ、そして入浴シーンと見所山盛りなので見て損はないですが、そうでない人には「お好きにどうぞ」くらいなもんです。きっと「新垣は身長が高いから、学ラン着せて応援団なんかさせたら似合うんじゃね?」と誰かがハナクソほじりながら適当に出したアイディアが採用された結果なんじゃないかと思います。