名前を借りた悪ふざけ

石原裕次郎二十三回忌法要
国立競技場に石原裕次郎の墓がある曹洞宗大本山総持寺を模して「裕次郎寺」まで作っちゃったり、しかもその寺から大量の坊さんを呼んできてフォーメーションを組んで読経させたりと、「二十三回忌」という名前を借りた石原プロの金をかけた盛大な悪ふざけが炸裂。誰が何と言おうと絶対に悪ふざけである。「お笑いウルトラクイズ」と違うのは、あの寺が爆破するかしないかだけだろう。


いや個人的には大金かけて悪ふざけしてくれて、しかもそれを放映してくれるというバブル期のバラエティを見ているようでいちいち面白くて仕方ないんだけど、「お笑いウルトラ」のように真剣に悪ふざけをやって悪ふざけを見せているならともかく、これをバラエティのつもりでなく真剣にやっている人たちがいるという事実は、笑うべきだろうがなんか切ないものがある。


石原プロといえば「石原裕次郎」の御旗のもと「裕次郎の遺志を継いで」と何かと壮大なことをやってくれるわけだが、どこか金さえかければいいものを作れると誰かが思い込んでいるんだろうなあ。まあ「いいもの」に金はかかるし金さえあれば何でも出来るんだが、しかし金をかけることが「素晴らしいこと」と必ずしも直結しないことを、そろそろ舘ひろしあたりが提言したほうがいいんじゃなかろうか。欠席した実兄石原慎太郎の「22年たつんだから、黙って眠らせてやればいいんだよ」が全てのような気がする。