外堀を埋める

フライデーが今度はPerfumeの「かしゆか」こと樫野有香がデートしているところを掲載。2週連続でPerfumeという、ファンにとっては地獄のようなコンボを繰り出したわけであります。これで来週あ〜ちゃんが掲載されようものなら卒倒するんじゃないでしょうか。


Perfumeについては先週書いたのでこれ以上触れるようなことはしないですが、ここまであからさまに狙い撃ちをされていると「何か恨みでも買ったのか?」とか「講談社とグルの宣伝の一環なのでは?」と、相変わらず穿った見方しか出来ないわけであります。


芸能人の恋愛ってのは人によっては芸能活動においての致命傷にもなるわけですが、基本的には「プライベートはほっといてくれ」という考えのもとに「なるべくなら隠しておきたいもの」という認識があるわけです。Perfumeの場合もファンがどう思うかはともかく、本人たちからすれば「別に隠していたつもりはないけども発表することでもない」という考えだったかもしれないわけで、少なくとも積極的に発表するような類の話ではありません。


しかしその一方で「誰と誰がどういう関係なのか知りたい」というゴシップに興味がある人は少なからずいるわけで、その人たちの興味を満たすために、大袈裟な話でいえば大多数の日本人の「世間の話題」を満たすために、マスコミは彼らの交際をすっぱ抜くわけであります。だからこそこういう報道は「スクープされる」という受身の表現が似合います。


だが一方でごくまれにマスコミを利用して、自分の恋愛を都合のいいように持っていこうとする大物が現れたりします。その名を永井大と言います。


永井大は広末に「マジで恋した5秒後」


ニッカンの記事なのですが、これを読んだときから笑いが止まりません。以下詳細に検討。

俳優永井大(31)が18日、都内の仕事先で交際がささやかれる女優広末涼子(28)に近く恋心を告白することを予告した。「マジで恋した5秒後ぐらいですかね」と広末のヒット曲をもじりながら、「恋する5秒前」から深まっている思いを表現。突然の公開告白は広末サイドも驚くほどで、今後の行方から目が離せなくなってきた。

まず記事として「近く恋心を告白することを予告した」ってのが面白い。今まで見たことないぞ。第一広末に告白する前に堂々とマスコミに恋心を予告しているのが笑える。

 永井と広末は今年2月、深夜の食事デートが写真週刊誌にキャッチされ、5月20日の永井の誕生日には、広末の自宅で誕生会を開いたことが報じられていた。この日、新作格闘ゲームデモンブライド」の完成披露会に出席した永井は、集まった報道陣に広末との関係を問われると「付き合ってはいませんが、僕が一方的に気になって、ときめいているすてきな方です」と公開告白。報道陣が「えっ!」と驚くほどだった。広末のヒット曲「MajiでKoiする5秒前」をもじり「マジで恋した5秒後ぐらい…ですかね」と打ち明けると、さらにどよめきが広がった。

大抵は写真週刊誌に撮られた場合口を濁すのがお決まりですが、永井はマスコミの斜め上を行く「付き合いたい」発言。集まった報道陣も「付き合ってないんだ」「ていうか付き合いたいって何よ」と思ったはず。しかも広末のデビュー曲タイトルもじりまで考えている。明らかに昨晩から考えたうえでの狙った発言です。

 空手2段の肉体派でさっぱりした性格から子供たちにまで人気の永井は、広末への猛アタックも押せ押せだ。誕生日会も永井の希望で実現した。5月19日から20日に日付が替わる瞬間を、広末に祝ってほしかったからだった。「最初は断られたんですけど『しょうがないな』と思ってくれたみたいで…。シャツをプレゼントしていただきました」。2人だけでなく、複数の知人が同席した会だったという。

最初は断られたんだけども、なんとかプレゼントを貰うまでこぎつけたという途中経過まで自ら暴露。広末が永井の家に馳せ参じたことから「広末が永井のところに押しかけた!」というイメージを与えるが、本当は永井が広末に頼んで来てもらったという話。永井がこれまたマスコミの斜め上を行く必死さで面白い。

 2人は07年、TBSドラマ「ロング・ウエディング・ロード!」で共演し知り合った。当時、広末はモデル兼デザイナーの岡沢高宏と結婚して1男をもうけていたが、08年3月に離婚。同年秋ごろから、交際がうわさされた。現段階での交際は否定したが「男として、自分の気持ちをはっきりと伝えたい」とキッパリ。広末の5歳の長男からは「お兄ちゃん」と呼ばれており「特別なお兄ちゃんになれるんですかね…」とはにかんだ。恋心は募るが、広末の母親としての立場には気を配り続けているようで「相手の環境もありますから、難しいとは思います。でも、僕も(交際に発展してもいいように)準備体操はかなりしています。走って足がつるようなことはないと思います」と話した。

広末の子供に「お兄ちゃん」と呼ばれていることに触れ親密であることを強調しつつ、一方では真剣な交際を考えているというアピール。これ昨晩じゃなくて一週間くらい前から真剣に何を話すか考えていたな。前言撤回。

 交際に発展すれば報告することを約束。本人より先に報道陣に告白したのは不思議だが、表情はすっきりしていた。

広末の立場も考えずにマスコミに報告していいのか永井。そして何より笑えるのが最後の一文。ニッカンの記者の戸惑いがこの一文に凝縮されている。



普通は交際をスクープされるという形でマスコミに利用されている芸能人。しかし永井は何を思ったのかマスコミに先に自分の思いをぶちまけることで「広末が断りづらい状況を作る」という外堀を埋める作業にマスコミを利用した。いままで売名行為という形でマスコミに恋愛報道をぶちあげる人間はいたけども、純粋に自分の恋心のためにマスコミを利用した人間は自分の記憶にはない(過去にいたらごめんなさい)。


永井大といえば「特命係長・只野仁」で高橋克典の子分だったり、「サラリーマン金太郎」では高橋が演じていた金太郎を他局でまた製作するときに高橋に代わって演じたりと、「高橋克典2世」という誰も狙っていないようなポジションを着実に固めている俳優。イケメンでもある。そこらへんの女性ならば永井が策を弄せずとも簡単に落とせるはずだ。


しかし永井がロックオンした相手は90年代最強のアイドルと言っても過言ではない広末涼子。いまや米アカデミー賞作品出演女優である。さすがの永井も敷居が高い。そんな永井が弄した策は「マスコミ」だった。一見自分の敵に見えるマスコミを利用することで「断れない空気」に持ち込む永井は完全にしたたかだ。「恋愛したたか野郎」である。


この恋が成就するかどうかはともかく、「恋愛したたか野郎」*1永井大の動向に関しては今後ちょっと気にしてみたいと思う。

*1:自分で書いてみてちょっとフレーズが気に入ったので繰り返してみました