定着

日テレ平日19時の帯生放送「サプライズ」金曜は爆笑問題司会の「評決クダル!」という番組。ゲストのイメージに関するきわどい質問を2択で視聴者投票を行い、その結果どちらが多数であるかをゲスト本人が当てていくというもの。


ゲストにとっては不本意な結果になりそうな質問でも、5問連続で正解すれば30万という賞金があるため、多少複雑な心持で不本意な選択肢を選ぶゲストが見所。初回のNON STYLEは「M−1で優勝したのは意外」だとか「NON STYLEよりオードリーのほうが面白い」という視聴者投票結果を自ら選んでいくという悲惨な状態に。本人が自覚してネタにしてはいるものの、数字として突きつけられるのは結構キツい。何よりこれが番組コンセプトも手探りの初回だったという心の準備のなさがキツかっただろう。おかげで視聴者はどんな番組かすぐに理解できたのだけど。


そんな番組に今回登場したのはオリエンタルラジオ。最初の質問が「オリラジがデビュー間も無くブレイクしたのは妥当?早すぎた?」という質問で、視聴者投票は「早すぎた」という結果。現状が見えているオリラジは正解。それを踏まえたうえでの第3問「同期のオリラジとはんにゃ、先に消えるのはどっち?」という質問。オリラジは多少の謙遜も混じりつつも、今のはんにゃの勢いと面白さを考えれば、自分たちより先に消えることはないだろうとの読みで「オリラジ」と選択。


しかし視聴者投票の結果は僅差ながらも56%で「はんにゃ」という結果に。オリラジの予想は外れてしまったものの、結果的に世間からははんにゃよりも先に消えないだろうという判断を仰がれたため、悪い気はしなかっただろう。


10%に満たない視聴率の、しかも視聴者投票に参加した人たちの意見であるから、さすがに「世間の声」というにはサンプル数が少なすぎるとは思うが、それでもリアルタイムに上がってくる声で「オリラジよりはんにゃのほうが先に消える」という判断は、なかなか興味深い結果だったと思う。


なぜこのような結果になったか。そりゃはんにゃは現在の勢いからすれば完全にオリラジを凌駕している。しかし今がブームの頂点の人気であることからして、「今後消えるかもしれない」という予測と可能性はオリラジよりも実ははるかに大きいという判断をしたということだ。視聴者からすれば現在の人気はともかく、オリラジは同じようなブレイクを経て「今現在生き残っている」という事実が大きかったのではないだろうか。


芸能界で生き残る、すなわちそれは「定着する」ということ。今現在大人気のはんにゃが5年後も同じく人気であるかどうかは分からないが、同じく5年前にそうなるか分からなかったオリラジが5年後の今テレビでちゃんと顔を見る芸人として「定着」しているという事実はさらに5年後のはんにゃよりも確実に「そこにいる」可能性が高いということなのだろう。視聴者の投票結果はそういう意味なんじゃないかと。


そしてオリラジは「今ここにいる」という事実をもっと自分たちで評価してもいいんじゃないだろうか。もちろん更に5年後、はんにゃがもっと上の位置で「ここにいる」可能性もないわけではないのだけど、とりあえず「いる」ことが大事な芸能界では、それでもアリなんじゃないかと。オリラジは今後「もっと評価されてもいい」と言われるようになるはず。だから頑張れ。