また一つ大人になった

ぐるナイ」のコーナー「おもしろ荘」を見ていたら、まだ「おもしろ荘」にまでは入居できない「やば荘」というコーナーが登場した。「爆笑レッドカーペット」の下部にあたるピンクカーペットもしくはホワイトカーペットと同じ扱いなのだろう。


ゲストのスザンヌが一番気に入った芸人が「おもしろ荘」に上がれるということで、鳥居みゆきの元相方だったラブ守永が選ばれていた。まあ妥当な選択だったんじゃないかと思う。しかし自分が気になったのは「原田17才」である。


原田17才。お笑い好きの方ならば「あれ?こいつ16才じゃなかったっけ?」と思ったんじゃないだろうか。その通りである。かつては「原田16才」として活動していたのだが、現在の事務所(ワハハ)に移籍した際に「原田17才」に改名したようだ。一才大人になりました。


で、改名したら何か変わったのかといえば全くそのようなことはなく、相変わらずの学生服で単発のギャグを繰り返し、「17才」というブリッジを使用。かつては「16才」でした。説明するまでもないんだけど。でまあ、全く面白くないところが自分には面白いです。かつてのダンディ坂野状態です。


自分が原田16才(当時)を最初に見たのは「爆笑問題のバク天!」だった。あの番組で「バク天芸人」という呼び名で、それこそ今の「あらびき団」のように「こいつらはちょっと…」という芸人を多数紹介していたのだ。その中の出世頭が元祖キモカワ「アンガールズ」である。アンガールズが今でも生き残っていることを考えると、この番組はなかなか先見の明があった。そして同じようにバク天芸人として登場するも全く売れなかったのが原田16才。一応オンバトにも何度か挑戦している過去はある。しかし一切オンエアされていない。


でもそんな哀愁漂う芸人が自分は好きだし、ちゃんと印象に残っている。つまらない芸風そのままに今まで売れていないとはいえ、かつてテレビに出ていたという事実はあるわけで、自分の中でしっかりと刻まれている。にも関わらず、今回自分がテレビで目にしたのは「テレビ初登場 原田17才」の文字だった。「え?」と思った。いやいや、あんたテレビ出たことあるでしょうが。


そしてすぐ気付く。「ああ、17才になってからは初なんだな」と。確かにウソではない。けど限りなくウソに近い。完全にグレーな紹介方法である。


テレビ局側からすれば、今まで地下潜伏してきた芸人を「発掘した」という意味で「初登場」としたほうが、いくら面白くないとはいえ他局との差別化を計るために価値は上がる。けど正確に言えば全く「初登場」ではない。改名したら「初登場」になるなんて聞いたことないもの。そりゃ「改名してから初登場」という説明つきで改名した芸能人が紹介されることはあるが、今回のはおそらく意図的に「改名してから」を示さずに「初登場」だ。ウソではないが、やっぱり作為的ないやらしさを感じる。


売れてない芸人がチャンスを掴めるのであればそれで構わないのかもしれない。けど何かすっきりしない。原田17才が悪いわけじゃないんだけど、こういう寸借サギみたいなセコい真似はやらないほうがいいんじゃないかなあと思う次第。仮に日テレが原田17才がかつて「バク天」に出ていたことを知らないのだとしたら、それはそれで問題。