ナイスヒールよ再び

・元祖!大食い王決定戦 爆食女王 炎の約束
なんだか売れてないマンガのタイトルみたいですけど、「大食い」の最新版。女性限定戦。


結果だけを見れば「魔女」こと菅原初代が圧倒的な強さを見せ付けて、全てのラウンドで1位という史上初の完全優勝。番組としてはギャル曽根こと曽根菜津子(という説明は既に逆なんだろうが、一応)との決勝でのリベンジマッチを期待していたところだが、準々決勝のオージービーフ勝負でギャル曽根敗退。ちょうど1年前の女王決定戦と同じ展開になった。進歩はない。


菅原が圧倒的な強さを見せ付ける所以は「驚異的な先行逃げ切り」である。これは大食いが「早食い禁止」を標榜しているにも関わらず実質的には早食いを許容しているがゆえの展開であることは否定出来ない。もちろん何をもって「早食い」とするかは意見の分かれるところであろうが、現行ルールでは魔女菅原に勝つのは困難を極めるであろう。


もちろん菅原がそのルールなしでも強いことは明らかだろうが、ギャル曽根が胃の限界に達することなく前回も今回も負けているのだから、「そういう競技」とは言えど改善の余地はあるんじゃないだろうか、ということは丸々昨年書いたとおりであり、ルールから番組展開まで何一つ進歩しちゃいない。


なので自分は勝負の行方を追うことを早々に放棄し、今回はただある一点だけを集中して視聴していた。それは「正司優子34歳」である。


魔女菅原、スーパースターギャル曽根とキャラ立ちしている大食い出場者の中で、一際異彩を放っているのが「トライアスロン正司」こと正司優子34歳。この人は何が凄いのかといえば、誰も望んでいるわけではないのに発言が最高にヒールであること。本人にその気があるのかは不明だが、勝手に悪役を買って出ている(ように見える)ことである。


昨年の大会のときに準々決勝でギャル曽根に対して言い放った「別に」発言は今回も健在。大阪第2出場者決定戦(放送は同日の昼間)で、第1予選で「余力を残している」と発言した古川淳美に対し、コメントを求められた正司は再び「別に」と言ってのけた。これを見た自分は「もう今回は正司さん一本でいいだろ」と確信。


しかし、本戦を見るとどうも正司さんの様子がおかしい。大人しい。前回大会の時に見せた、顔中食べかすまみれで、かつての大食い藤田操を連想させるような鬼気迫る大食いは見られない。食べ物はきれいに食べるし、前回より痩せてるし、何より化粧をしている!番組中でも何度も触れられていたが、今まですっぴんで勝負に臨んできた正司さんが何を思ったか化粧をして参戦してきたのだ。


というわけで予選では相変わらずのナイスヒールだったのに、本戦では大人しく強く食べまくってました。結局準々決勝で再びギャル曽根を退け、そのまま準決勝も勝ち残り決勝へ。魔女菅原の圧倒的な強さに屈しはしたものの、今回も安定した強さを見せ付けた。


「カメラ映りを気にして食べる」というのは女性としては大正解なわけだけども、自分が正司さんに望んでいる「視聴者からどう思われようと気にしないナイスヒール」からは大きく遠ざかってしまった。いち正司ファンからすれば嬉しくもあり、悲しくもある。唯一3回戦でメガネに御飯粒をつけるというアピールは「意中の男性にわざとブラ紐を見せ付ける」のと同じあざとさを感じ、かなり興奮しました。何を書いてるんだ自分。


是非、是非とも次回も出場することがあれば、その時はまた化粧などせずに、新人で出てきた選手を脅威に感じるかという質問に対し「別に」と言い放ってほしい。自分の中でのベスト大食い女王は2年連続で正司さんでした。ありがとうございました。


余談ではあるが、今回は毎度準決勝から姿をあらわす大食いレジェンドこと赤阪尊子ちゃんが登場しなかった。単にスケジュールの都合で無理だったのか、それともテレ東が経費削減のために尊子ちゃんのオーストラリアの旅費をケチったのか。個人的には前者であることを望むが、もし後者だったとするならば、次回からは尊子ちゃんを呼ぶために海外じゃなくて国内で決勝までやってほしいと思います。尊子ちゃんあっての大食いでしょうが。ささやかなお願い。