グズでノロマなカメだもの

亀は意外と速く泳ぐ
上野樹里主演の映画。「時効警察」などで有名な三木聡が脚本監督をしている。


この映画は「時効警察」以前に撮影されたものであるが、「時効警察」みたいな脱力系の映画であると考えてもらえればほぼ間違いない。岩松了ふせえりが出演しているので尚更。


映画全体の雰囲気は完全に脱力系ではあるんだけど、その一方で映画を貫いている主題が「日常とは普通とはなんぞや」という脱力できないところを突いている気がする。いやそんなこと気にせずにひたすら脱力したまま映画を楽しむのが正解かもしれないんだけど。後半でちとダレたけど、「もう一回見てみようかな」と思わせるいい映画だったと思います。


蒼井優が主人公上野樹里の親友役として出演しています。ちょっと前に感想を書いた「害虫」にも出てたのだけど、ナイツのネタを書いて以降なんだか見る度に申し訳ない気持ちになります。この映画では割とハチャメチャな役ではあるけどどんな役やっても可愛いな蒼井優は。


あとこれは偶然なのだが、「害虫」にもそしてこの映画にも「これは○○年の映画です」というテロップが出た。「害虫」では携帯電話をかけながら運転するシーンで、そして今回は自動車の後部座席でシートベルトをしていない上野樹里のシーンで。どちらも道路交通法の改正で現在では違反となるもの。放送したのはどちらも同じ局(HTB:テレ朝系列)である。確かに違反は違反なんだけど、いちいちそんなテロップ入れる必要があるのかなと普通に思った。


現在は違反(違法)であっても当時としては何の問題もないわけだ。当時合法であっても現在倫理的に著しく問題があるならまた話は別だろうが、言ってしまえば些細なことである「ただの違反」のためにわざわざ映画のワンシーンにテロップを入れる必要はないだろう。後の面倒を回避するための策だとは分かるが、「なんだかなあ」とは思う。ま、文句があるなら映画館かDVDで見ろってことなのかもしれんけどさ。自分とテレビ局のどっちの心がさもしいんだろう。自分か。