神のみぞ汁

神の雫
亀梨和也主演のドラマ。原作はモーニング連載中のマンガでワインに関するうんちくが「これでもか!」と登場し、国内のみならず海外でも人気らしい。


ドラマの序盤で亀梨演じる主人公雫が「なんなんだよ……神の雫」というセリフを発します。これは「神の雫」と呼ばれるワインをめぐる遺産相続に巻き込まれた主人公が、「たかがワインなのにこの大袈裟感は何?」という視聴者の心情をも代弁する戸惑いから思わず発するセリフなのですが、個人的には「なんなんだよ……神の雫」と言いたくなるようなことがワインではなくドラマそのものに多発したので、それらを箇条書きで挙げていきたいと思います。もっともドラマが対処しようのない原作に対するツッコミも含まれていますが。

  • 竹中直人演じる外人。竹中直人が外人を演じるのは向こう10年間くらい禁止したほうがいいと思う。法律で。
  • 内田有紀のエロワイン。なんだこれ。そのまま股間まで垂らして「これが本当の神の雫!」ってか。



  • ワインバーのオーナーソムリエを演じる辰巳琢郎(ちょびヒゲ)。そういや昨年東京で友人の結婚式に出席した際、同じホテルで「辰巳琢郎とワインを囲む会」みたいなのがあることを知って笑った記憶がある。そのことを思い出させてくれた。
  • 「評論家にカキを出して酷評され廃業寸前」というエピソード。「美味しんぼ」の20巻に収録されている「カキの料理法」を想起させた(が細部は違う)。ちなみに「(フランス人が好むとされる)白ワイン(シャブリ)とカキの組み合わせはよくない」というエピソードも74巻「恍惚のワイン」というずばりそのものの話に掲載されてたりする。パクリと言いたいわけではなく、「かぶるくらい有名なエピソードということは、もはやウンチク足り得ないのでは」と思ってしまった。
  • その酷評されたレストランの娘(本仮屋ユイカ)がグレかけていたがあっさり更生。
  • その店を廃業寸前にまで追い込んだ酷評をした評論家遠峰(田辺誠一)が、美味しい料理とワインを出されて「酷評した甲斐があった」はない。なんという無責任。ちなみに「美味しんぼ」のほうでは酷評した海原雄山は、究極VS至高の対決で手心を加えた感じで勝ちを譲っていた。そこまでする必要もないだろうが、なんだろうこの差は。
  • 仲里依紗の主張しすぎる乳。テレビからワインの味と香りは所詮伝わってこないが、乳の圧倒的な存在感は伝わる。
  • エンディングのKAT-TUNの曲。


「ワインのウンチクが鬱陶しい」というのはこのマンガのみならずワイン業界全般の問題なのでスルー。別に亀梨は好きでも嫌いでもないんだが、このドラマに関して言うならば「よく笑わずにやってられるなあ」という意味で感心。


原作及びワインが好きで真剣に見ておられる方ならびに真剣に演じている出演者には申し訳ないが、こんなに笑えるドラマもなかなかない。見てる最中笑いっぱなしでした。珍ドラマという意味では今期の裏オススメかもしれません。