温度差

ビートたけしの今まで見たことないテレビ
こちらはたけしの特番。BIG3の番組の中では一番数字が良かったけども、単に裏番組に強い番組がなかっただけだと思われる。


「今までに見たことない」と銘打ってはいるが、やっていることはたけしが今までやってきた番組の焼き直しもいいとこであり、「今までに見たことあるやつばっかじゃねえか」という突っ込みありきの番組タイトルだったと思われる。それを了解して見ている人はいいけど、そうじゃなかった人は結構本気で「しょうもねえ」と思ったんじゃないだろうか。特に冒頭の「持ちネタじゃないモノマネ」はしょっぱかったのでチャンネル変えた人が多そう。それとも本気で「見たことない」と思って作っていたのだろうか。だったら悪寒が走る。


自分はこんな回りくどいタイトルつけずに、素直に「たけしのバラエティの歴史」としたほうが良かったんじゃないかと思う。たけしを知っている世代からすれば、タイトル含めこのやり方がたけしっぽいと普通に判断できるけども、たけしをお笑い芸人として知らない世代が見れば「たけしってのはこれが「誰も見たことない」と思ってるほどレベルが低く古臭い芸人なんだな」と間違った解釈をしそうだ。自分が10代ならきっとそう思ってる。


熱湯ありシュールあり爆破ありと、番組はたけしの過去そのもの。今回の番組の予算が倍あったら「お笑いウルトラ」になってたんじゃないかと思う。逆を言えば予算があんまりなくて中途半端な企画にしかならなかったともいえる。たけし×日テレでは熱湯を経て詰まるところお笑いウルトラに行き着くということだろう。


ダチョウ倶楽部の登場機会が非常に多く、番組中でも「ダチョウの追悼番組のようだ」と言われていた。もし仮にダチョウ倶楽部の3人がまとめて事故死するようなことがあれば今回のVTRを流せば本当に事足りるような気がする。


なもんで、番組そのものとして取り立てて「これ!」という見所があったわけではない。宮崎哲弥がどんなVTRに対しても臆することなく賞賛するコメントを発していたことと、寝起きドッキリのときにたけしが「こういうのは田代まさしがやるもんだろ」とサラっと言ってのけたのが面白かったくらいだ。


これが下手に数字を取ってしまったもんだから、また同じようなことやりそうな気がする。いいんだか悪いんだか自分にはよく分からん。