ドリアン助川改めTETSUYA、今は明川哲也

「悪魔の契約にサイン」が面白い。


最初の企画は「新・加勢大周」こと坂本一生の改名。元祖加勢大周大麻で捕まってから、坂本のところにも「逮捕されたの?」という電話が数本舞い込んだそうな。坂本は「いまだに勘違いされる」と言ってるが、自分は「わざとやられてんじゃねのか」と思う。坂本一生の携帯番号知ってたら間違いなくそういう電話かけたくなるもの。


そんなわけで改名をして心機一転図らせようという正直大きなお世話な悪魔の契約。しかも改名しなかったら芸能界引退というキツい内容だったが、躊躇する坂本に対しセールスマンであったおぎやはぎの小木が「どうせ半分引退しているようなもんでしょ」と身も蓋もない一言で契約成立。


改名案として出される名前は、放送時にゲストとしていた出演者。梅宮アンナが提案した「ISSEI」という何のひねりもやる気もない名前に一度は決まったものの、最終的にはなぜか銀座の母によって提案された「大旗一生」という名前に決定。


この企画だけでも「梅宮アンナはゲストとして座る側ではなく契約を受ける側だろ」とか「有吉の提案した『馬鹿☆野郎』の的確すぎるネーミングセンスに脱帽」だとか、言及したい部分はある。でも自分はここで「銀座の母」について触れておく。


TBSを見るとしょっちゅう「銀座の母」が出てる。「ぴったんこ・カンカン」「ドリームプレス社」「金スマ」と主なものはどれも安住アナ絡みの番組であり、芸能人が銀座の母のもとへ訪れては占いをしてもらうというパターン。番組のワンコーナーだけではなく、銀座の母で特番が組まれることもある。「あのババア」がTBSからズバリ姿を消した後に後釜に据えられたのが銀座の母なのだ。


ズバリ言っていたあのババアは、絶頂期には自分の番組をいくつも持って独自の占いっぽい人生相談を中心に色々なことを展開していたのに対し、銀座の母はどの番組で見ても同じことしかしていないのが違う点。ババアが番組を持つこと自体に嫌悪はあるものの、防衛策として「番組を見ない」ことを励行すれば済むわけで、これはこれできっちり棲み分けがなされてはいた。それに対して銀座の母はTBSのバラエティを見ればどこにでも出てくる可能性があり、完全回避するにはTBSのバラエティを避けなければならない。そういう意味では質が悪い。


銀座の母も細木と占いの種類こそ違えど、やってることは単なる人生相談でありほぼ差はない。細木ほど高圧的ではないくらいだろうか。自分の印象は細木ほど悪くないけども、かといってウェルカムではないし出来れば見たくはない。


細木の時と同様、誰が銀座の母のことを重宝がっているのか自分には全く理解が出来ない。細木ブームは世間の人間が細木に飽きる前に自分の手によって幕引きがされたので、明確に「もういいや」っていう印象を支持していた人たちに与えなかったこともあり、何となく銀座の母にそのブームが継承されているのかもしれない。そうだとするなら銀座の母を支持しているメイン層は主婦であるが、それでは今回「悪魔の契約にサイン」において坂本一生の改名案を彼女に依頼することに何の価値があるのだろうか。もしや自分が気付いてないだけで「悪魔の契約にサイン」って主婦層がメインの番組なのか?にしたって銀座の母が名付ければそれだけで「おー」となるようなレベルでもない気がするんだが。TBSしか持ち上げてないし。


視聴者層どうこうの推測が全く関係なく、「銀座の母に改名任せればいけるんじゃねえの?」という単なるTBSバラエティの銀座の母依存であるならば、それはもうただ気持ち悪いだけ。いっそのことTBSの経営方針も銀座の母に見てもらったほうがいいんじゃないかと思う。どっちにせよ最低なことに変わりはないだろうけど。


これがもし「改名といえばあのババアで、しかも改名しても何の効果もない」という、坂本一生が今後活躍しないことを見越した上での悪意だらけの「かぶせ」であるなら笑うしかないんだけど。



あとは蛇足になるが触れておく。山本高広の万引きGメンのやつ、あれ、うーん、仕込みかなあ。断言は出来ないけれど、どうも「出来すぎ」なんだよなあ。山本の妙に強気な態度もそうだし、万引き犯の変に強気な態度と改心の仕方も胡散臭い。あれだけタチが悪く常習犯の匂いがする万引き犯捕まえたら、このご時世警察に通報がデフォルトだと思うんだけどなあ。万引き犯が威嚇で刺青見せるってのも……。


前回書いたときも触れたけど、番組プロデューサーが「ガチンコ!」と同じであることからも、仕込みありきと思って見ているほうがいい。有吉がレギュラーに名前を連ねているのも、最近好調ということもあるだろうが、この番組が暗に「ヒッチハイクはしてますが、危険地帯は飛行機で飛んでいます」というエクスキューズを予め出しておくための要員なのではないか、という勘繰りをしてしまうのは自分だけだろうか。


とにかくこの番組は良くも悪くも90年代後半のバラエティを踏襲しており、こちらの感情をいい具合に揺すぶってくれる。要注目。