コントオブキング

キングオブコント2008見ました。バッファロー吾郎の優勝ということで。


自分は「バナナマン本命1.2倍」と予想していたのですが、決勝で敗れてしまった。個人的にはバッファロー吾郎よりバナナマンのコントのほうがブロック・決勝ともに上だと思ったので自分の予想そのものに狂いはなかったと思っているのだけど、まあこういう結果になりました。


「芸人が審査員」という、この大会の特色及び問題点がどう作用するか。バッファロー吾郎バナナマンの一騎打ちという構図はブロック組み合わせが発表されたときから殆どの人が予想した展開であり、となれば見所はほぼこの一点に絞られていたと言ってもいいだろう。


AブロックはTKO、バッファロー吾郎、ザ・ギース、天竺鼠の4組。基準となるべきTKOのネタがあまりにベタすぎる普通のネタだったため、この直後だったバッファローの点数にインフレが起きてしまったように感じた。準決勝で負けた芸人100人が持ち点5点の500点満点。ひとりの審査点数は5点しかないため、その得点に評価の差異がつけにくく、全員がおおよそ4点台のネタ評価と3点台のネタ評価では、出てくる点数に50点という大きな差となって表れるが、点数以上にネタの面白さの開きはなかったように思える。バッファローの460点というネタ点数は若干高いけどまあ妥当。しかし後続のギースと天竺鼠はもう少し点数が伸びてもいいネタだったと思う。


Bブロックは好勝負。一番手のチョコレートプラネットはそれなりに面白かったし、ロバートのコントは見事に面白かった。しかしそれ以上に見事だったのがバナナマンで、自身の代表作である「朝礼」を何の迷いもなくぶつけてきた時点で作戦勝ちだろう。面白さの瞬発力でいけばロバートのほうが上だったような気もするけど、バナナマンが審査員の芸人ならおそらく誰もが知っているであろう代表作を持ってきたことで、「このネタ持ってこられたら」という気分にさせたのだと思う。自分は実はBブロックならロバートの勝ちかな、と思っていた。もし仮にワイルドカードがあってロバートも最終決戦に残っていれば、という気にすらさせた。2700も悪いネタじゃなかったけどロバートとバナナマンのあとでは見劣りしてもやむなし。


バッファロー吾郎バナナマンの最終決戦。バッファローのネタは初めて見た(けど舞台では既に何度もやっているネタなのかもしれない。何せ北海道ではバッファロー吾郎のネタを見る環境がないもんで。但し事前番組では予選の1回戦2回戦ともに新ネタを下ろしたとのことだったけど)。彼らの「中学生」的な面白さが芸人たちからカリスマ扱いをされているのは分かる。あの面白さは憧れる領域にいる。けど、そういう事情を差し引いても決勝のネタは「そこそこ」だったんじゃないかと。


一方でバナナマンは「宮沢さんとメシ」というこれまた有名なネタ。本来の尺でやると15分くらいあるネタを5分にまとめてきたので、本来あのネタが持つ微妙な間などが再現出来ておらず消化不良の感はあった。それでもバッファローといい勝負、いや、半歩上だったと自分は判断した。


なぜバナナマンがブロック及び最終決戦でも既出のネタのみで勝負したのかについては意見が分かれるところであろうが(実際は月曜深夜のバナナマンのラジオを聴くのが早いだろうけど)、自分としては「芸人同士の審査という特異な状況においては、既出のネタであることが決してマイナスではない」というしたたかな計算があったように思う。もちろん新ネタを作る余裕がなかったという実情もあろうが、いままで散々披露したネタに自信があったということでもあろう。


自己申告制において、両者が自分の名前をあげたのは当然。しかし次の決勝進出者投票で、あっさりとバッファロー吾郎過半数を獲得し優勝が決まる。 2700の投票結果は発表されなかったが、TKO、天竺鼠、チョコレートプラネット、ロバートがバッファロー吾郎に投票。バナナマンに投じたのはザ・ギースのみ。おそらくではあるが、2700もバッファローだったんじゃないかとは思う。バッファロー吾郎の持つ関西芸人及び吉本芸人からのリスペクトを自分は甘く見ていた。結果そのものに大きな不満はないが、バナナマンに1票しか入らなかったのはちょっと疑問。


結論を言えば、想像していたほどに芸人からの投票制度(投票結果)は酷くはなかった。自分は松本が思う芸人評価性善説(芸人同士ならば、誰が面白かったかは自分たちが一番よく分かっている)を信用しているわけではないけど、その一方で審査するほうも「ここで仲間内の贔屓的な評価が出てしまえば、自分たちの評価を下げることになりかねない」というバイアスが働いたのではないだろうか。とはいえ、最終決戦の記名投票で吉本の芸人がバナナマンに投票するのは勇気のいることだとは思う。特にバッファローの木村は冗談めかしてはいたものの「絶対優勝したい」と、投票する側にプレッシャーを与えていたような気もするし。


ただやはり出場している芸人が審査に回る以上、多くの芸人が出場している吉本がやや有利なのは言うまでもない話で、ここのところでいかに平等感を演出するかは今後大会が続くならば重要なポイントとなるだろう。なにはともあれバッファロー吾郎はおめでとう。投票方法はともかく、彼らが面白かったことに間違いはない。


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「力士の知り合いから貰いました」とか言ったらそれはそれで面白いが、それ以前に「芸能人としての分かりやすい凋落」に脱力。